王たちへの下克上 ②
昼も更新できました。死ぬ気でやればなんとかなりますね。
ミキとは違う場所。
チリン、ソゥは二人でマーヤのところに訪れていた。もちろん敵対するつもりはなく仲良くしゃべっていたりする。
「マーヤも王になったしそっち側だもんねー」
「ミキもだよ。それより、無愛想な私のとこじゃなくてミキのところにいったら? ミキは死ぬほど喜ぶと思うよ」
「うーん。言っちゃなんだけど私が倒させてってお願いしたら普通にはいって言うと思うんだよね」
「ミキはそういう」
ソゥもミキの性格は知り尽くしているほど見てきた。というかわかりやすい。ミキは真野ちゃんの狂信者であり真野ちゃんはソゥであるからして。
ソゥが頼めば何回でも倒させてくれると思っている。
だけどそれをやるわけにはいかないよね。ゲームなんだからきちんと楽しみたい。
「ミキちゃんってそういうところも面白いよね」
「……迷惑じゃないんですかい」
「ううん。ファンがいてくれるのは嬉しいし、ミキちゃんは友達だからね」
「友達でも踏み越えちゃいけないラインあると思うけどなぁ」
「そうだけどミキちゃんってなんかたまにだけど暗い表情するじゃん。それ見てるとなんかしてあげないとなーって」
「あー……」
チリンもわかっていたりする。
昔のことをたまに思い出すことがある。そのときはものすごく暗い表情をしているんだよね。この前もしてたよ。
「……いつまで私のところに居座ってるの。他のプレイヤーきたんだけど」
「あ、ごめんね。今すぐ帰るよ」
「……別に今すぐじゃなくても」
「なんかいった?」
「いや」
「そう。じゃ、またねマーヤ」
チリンは天界から降りていった。
その入れ替わりでプレイヤーが来るのでマーヤは相手している。下にはルシファーが控えていたはずだけれどどうやってここに来たのかも疑問がある。
――もしかしたらルシファーより強い
マーヤの頭の中にその考えが浮かんだ。
その瞬間、マーヤは視界が白くなった。
「何……これ…………」
不意打ち。
いや、目に見えない攻撃。相手は何もしていなかった。何をする動作も見せなかった。なのに、なんで攻撃されたんだろうか。
マーヤは思考を研ぎ澄ます。
――チート
その可能性が浮かんだけれど、このゲームはチート対策がものすごかったはず。なら絶対にない。だとすると私の知らないスキルが……!
減っていくHP。相手は攻撃をしてくることがない。なのに減る。
マーヤは投げナイフで相手の喉元を狙う。
はじかれた。次はマーヤ自身が斬りに向かう。が、足がもつれてしまって転倒した。状態異常にかかっている。
「混乱と、毒?」
じわじわと削られ立つのもままならない今の状況。
マーヤはあきらめて、目を閉じた。そして、キルされてしまったのだった。
「この手は有効ね。じゃあ、本番と行こうかしらぁ」