刹那の仲間
エイシェントドラゴンをホームに連れて帰った。
チィとこまちと私とエイシェントドラゴンが向かい合っている。
「我が主人。チィ様。不束なわたくしですがどうぞ今後ともよろしく……」
「あ、う、うん」
ドラゴンのレベルは1に戻った。だけれど、ステータスがバカ高いのは事実。
どうやらテイムしたらレベル1にされるらしい。レベル上げが必須ということだね。
「むふふ、こまち先輩にゃ! 新入りはこまちをうやまうんにゃよ!」
「はい。こまち様」
「むふふ~」
気分よさそうな笑顔。
対してドラゴンのほうは礼儀正しいように感じる。
「えっと、名前…」
チィは名前で苦戦しているようだった。
こまちってつけたの私だしチィは名前つけるの苦手そうだなぁ。子供の名前とかどうするんだろ。自分で決めれるのかね?
「エイちゃん……ってのは安直すぎるし……。ドラドラ1号?」
……何も言うまい。センスが壊滅してるんじゃないか……。
ドラドラ1号よりエイちゃんのほうが数百倍マシな気がするけど。
「ああ、無理! 名前どうしよ!?」
「……無理につけなくてもよろしいのでは」
「つけるの!」
チィが名前に頭を悩ませている。
名前、ねぇ。古代だからオルドでもいいと思うんだよね。
「オルドは?」
「それ! オルドちゃん!」
「オルド……はい。わかりました」
エイシェントドラゴン、基オルドちゃん。
チィのテイマーとしての道は開けすぎたかもしれないな。エイシェントドラゴンを鍛えればいずれ世界を取れるんじゃないかと思えるほど強い。
そして、あんなこともうしたくないわ。
「それにしても貴殿は強かったな。殺されそうになったのは久しぶりだった」
「さ、さいで……」
「天使一人に人間二人を連れるとは貴殿は相当力があるんだな。思わず主人に助けを求めるように契約してしまった」
「……契約は不本意?」
「そんなことはない。倒したものの仲間なら不本意などではありませぬ」
「な、ならいいんだけど」
チィはほっとしたように胸をなでおろしていた。
ドラゴンテイムは予想以上に疲れたけどテイムできることは証明されたし、これでテイムする人増えるといいな。というか、この方法がドラゴンテイムの最適解なんじゃないだろうか……。
他人の横取りというのが一番の最適解とか運営考えてくださいよそこらへん。
「今後ともよろしくお願いいたします。ご主人様」
チィはログアウトした。
私もログアウトして部屋で過ごしている。今日は疲れたから早く寝たい。ゲームの公式サイトでも眺めていようかな。
何かめぼしいものは~っと。
うん?
第七回イベント……?