刹那の光 ③
目の前のドラゴンは眠っている。
ちょんちょんとつっついてみた。起きない。いや、怖くね?
「……なにしているのですか神よ」
「えっ、あー、いや」
怖いんだもん。
「おこすのならもっときついのをあげなくてはだめじゃありませんか」
とルシファーは剣で思いきり突き刺していた。
なにしてんのーーーー!? 自ら喧嘩売ってどうすんの!? なに!? 自殺願望かなんかあるの!? ええこのまま戦闘になるの!?
「ゴァァァァァ!」
起きたよ!? こっちを思い切り睨みつけてくる。
そして、ブレスを吐いてきた。そりゃ怒りますよね?! あんな起こされ方したらね! 危ないな! なにしてんのルシファーさんは!
ブレスを避けると今度は尻尾でダイレクトアタック。それをちょっと危なく躱す。
「アーサー! ランスロット! ルシファー! 戦うんだぁ!」
「はっ」
「了解した!」
「わかりました」
これ当たったら即死レベルじゃないかな!?
とりあえず回復とかできる用意でもしておこう!
「はあああ! エクスカリバー!」
アーサー王が剣で斬りつける。
私も魔法を放つけれどダメージがそれほど通っていない。鱗が固いのか? だとしたらこれ無理なんだけど……。崩壊亀以上にやばそうなゲームなんですけど……。
「え、えっと、が、頑張れー!」
「うううう!」
言い出すんじゃなかった! なんでドラゴンテイムしようとか軽々しく私口走ったの? バカなの? なんで無謀と無茶というものを理解しなかったの? 殺されたいの?
あんとき勇者に偉そうに説教しておいて? ねえ、ブーメランって知ってる? 過去の私。
ああ、タイムスリップしろ! ドラゴンテイムしようといった自分をぶん殴る!
「うひゃあ!?」
ブレスの範囲がひろぉい……。
結構ぎりぎりでしか躱せないんだけど。
「ぐっ……」
アーサー王の体力やばい!?
「手ごわいな。さすがは古代種といったところか」
「ああ……。固い」
とりあえずアーサーたちを回復!
隙をついて回復させ攻撃してもらう。チィは後ろで攻撃しておらずただただ見ているだけ。うん、戦えないよ。普通に死んじゃうよね。
私が安易にテイムしようなんていったからなー……。私のせいだよなこれ。
……こうなったら意地じゃあああああ!
「死ぬ気で頑張れ! 私も死ぬ気になる!」
エイシェントドラゴンはそれはそれは強敵だった。
だがしかし、この勝負。勝ったと思う。実際、もう瀕死の状態だ。なんで割愛したかって? 思考放棄していたから語るものもなにもないんだよ。
「チィ! テイム!」
「う、うん! ”テイム”」
すると、エイシェントドラゴンの容姿が変わった。
ドラゴンの姿から着物を着た女の子の姿になっている。首には首輪がはめられていた。成功したんだろうか? 鑑定してみる。
――――――――――
エイシェントドラゴン(テイム状態)
名前:なし 形態:人間
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おお、成功している!
よかった。ならあの方法で可能ってことか……。パーティ登録をせずにと。まぁ、してないとチィに攻撃当たるしそこもやりづらいと思うけど、それでも可能なのか……。
「ドラゴンテイムした! 一安心……」
なんか、すごい疲れた。
ミキの自業自得