刹那の光 ②
ワノ山を登ってて思ったんだけどドラゴンってサモナーが対象なんじゃないかと思い始めてきた。あれテイムできそうにないでしょ。連れて歩けないでしょ。
そもそもテイマーとサモナーの違いってなんだろな?
「……調べるか」
「……なにを?」
こういう時のインターネッツは便利ですよね。
ふむふむ。
ドラゴンはテイムとサモン両方可能モンスターらしい。サモナーでもテイマーでもテイムできる強モンスター。
ただ、エンカウント率が少ないし未だにテイムで来た人はいないと聞く。
「燃えるな」
「……テイマー説明書ではソロで弱らせてって書いてあるんだけどどうするの?」
「え、まじで?」
ソロ討伐は考えてなかった。
まぁ。ちょっと考えはある。
「なら、パーティ登録を外そうか」
「なんで?」
「チィが私が弱らせたのを分捕る感じにする」
私が戦っていたらチィが横取っていきましたって感じ。グレーゾーンだと思うけれどルールには接触してないはず。
あくまで偶然でありソロなんだからさ。
「ミキ危ないところ攻めてくね……」
「でもルール違反じゃないと思う」
こういう対策してるかもしれないけどね。
ただ、する理由がないんだよ。他の人がする理由。ドラゴンって経験値も相当あるらしいしわざわざテイムさせる理由がない。
それに、友達同士じゃないとこういうことしないし、ドラゴンも相当手ごわいっていう話だから実力がないとね。
「悪いやつ!」
「これで注意されるんなら説明してない運営が悪いの」
多分他人の獲物横取るって感じだからカルマ値はたまるかもしれないけど、それでもテイムできるんならいいんじゃないだろうか。
いや、したことないからしらないけど。
ワノ山のてっぺんにたどり着く。
標高が高いだけあって寒い。コートをもってきておいてよかったと思う。
「ドラゴンほんとに会えるかな」
「さぁ。運がいいと頂上にいるっていう話だけど……」
それらしきものは……。
「いるね」
「……いたね」
まさかの一発で遭遇ですか。
鑑定してみるとやばい。レベルが200。え、無理じゃね? 私122なんですけど? で、名前が古代竜エイシェントドラゴン。
……勝てるかな。いや、勝ちたいけど……。このドラゴン絶対経験値やばい。これを手放すかぁ……。
「……死んだらごめんよ」
「え、そんなに強いの?」
「レベル差がなぁ」
とりあえずアーサー王とランスロット、ルシファーを呼んだ。
アーサー王の呼び方は円卓の鈴というものを鳴らすとアルテナ様が連れてくるらしい。ルシファーは普通に飛んでくる。
ランスロットはアーサーときた。
「ドラゴンか」
「聖竜エイシェントドラゴン……。神の竜とも呼ばれ何億年も生きている古代種だ。強いという話を聞く。倒せばいいのか?」
「弱らせてテイムする」
「死ぬぎりぎりを攻めろということだな」
そういうことになるね。
どうか? アーサーのレベルは150、ルシファーは161、ランスロットは140と結構高いけどドラゴンのステと比べると……。
……ま、なんとかしよう。頑張って。
運営「裏をかくな」