チィ×テイマー ②
テイマーギルドにやってきた。
受付をして従魔を選んでくださいとのこと。三つもってくるらしいけれどそれは完全にランダムでシークレット従魔もいるらしい。
それで連れてこられた三体のうちシークレット一つだけいた……。
・コボルトハーフ
・首狩り兎
・チェシャ猫
「チェシャ猫で!」
チェシャ猫か……。
見た目はものすごく可愛い。ていうか、獣というより人に近いんだよね。猫耳の少女。これが魔物だっていうんだから……。
どこかにいるんだよね。チェシャ猫。
「ふふん。よろしくねチェシャ猫ちゃん」
「にゃあ!」
……可愛すぎんだろチェシャ猫さん。
見た目が見た目なだけにものすごくやばいです。猫耳幼女……。もはや犯罪級の可愛さじゃないか。なんでこう萌えるものつくるかな?
「なまえ! なまえほしいにゃ!」
「名前? 考えてなかった……」
なかったんかい。
「ミキ、いい名前ないかな?」
え、私に振る?
うーん。猫の名前でしょ? 私が個人的に付けたいなって名前があるけどそれでもいいならいいんだけどさ。
「こまち」
「小野小町?」
「いや、新幹線の名前……」
「あー、ならこまちちゃんで! 君はこまちね!」
「こまち! こまち!」
尻尾をピンとたてていた。
ぴんとたてているときって嬉しいときだっけ?
「こまちなにするの! まものやっつけるの?!」
「そうだね。魔物やっつけよう!」
「わーい! がんばる!」
というわけでゴブリンを狩りにきたわけだけれど。
なんていうか、隠密に向いてる感じがする。透明化スキル、奇襲スキル、地獄耳スキルがあった。暗殺者に向いてそうだ。
で、戦い方はパンチと爪。猫パンチ……。
「……いたにゃ!」
「おっけぃ。じゃあ、ばれないように一匹倒してみよう」
「にゃにゃっ!」
こまちは音をたてないように走っていった。
すごいな。音を立てずに走るのは。私もやれるけど……。ゴエモン流隠遁術があるからね。あと忍び足。
「にゃにゃっ!」
爪で切り裂いた。
ゴブリンの体力は少し削れる。三分の二くらいか。レベル1だからこんなものだろ。ゴブリンに気づかれた。だけれど攻撃をやめたりはしない。
「ぱんちっ!」
必殺の猫パンチ。相手は死ぬ!
いや、まだ生きてるけど。逃げようとしていた。だがチェシャ猫……こまちは逃さない。透明化スキルを使用し回り込んで透明化を解いた。
そして、爪でひっかく。
「お、レベル上がった」
「力湧いてくるにゃぁ」
どっちもレベルが上がったみたいだ。
従魔が倒しても主には経験値が入るみたいだ。これで入らなかったらテイマーという職業はきついものだっただろうな。
あと、チェシャ猫。敵に回したくないわ。