チィ×テイマー ①
携帯を触っていると地衣からラインが来た。
『久しぶりにゲームできるからA2O手伝ってくれない?』
あー、そういえば最近ログインしてないね。
何か月ぶりだろ。バイトそんなに忙しかったんだろうか。
いいよと返し私は下に降りる。冷蔵庫を開けてオレンジジュースをコップに注ぎ一気に飲んでトイレに行ってヘッドギアをかぶる。
地衣は友達だから手伝ってあげないと。
「おーいみさ……ミキー!」
「あ、チィ。このゲームでは久しぶりだね」
チィは相変わらず初心者装備だ。あまり触れていなかったことがわかるね。
バイトかけもちして寝る前までバイトするバイト人間だからなぁ。よく働くよね。チィは。私はバイトしないしチリンはゲームの邪魔になるっていってしなさそうだからなあ。
「ははは、装備が違うねやっぱり」
「あまりやれてないから仕方ないよ」
「そうだね。じゃ、今日でどれだけ追い付けるかな。まずゴブリンキングってやつを倒しに行かなくちゃならないんだよね?」
「そうそう。第二層にいくにはね」
第一、第三は絶対にボスを倒さなくては次のエリアに行けない。
第二はしらないけど。
「うーん。やっぱレベル上げてからのほうがいいよね。レベル5とか初心者だよね」
「ならレベリングする? ずっとカモシカになるけど」
「うっ。きつそう」
チィは動物好きだからね。傷つけるのをいとわないということはない。
むしろ愛情を込めるタイプ。
「……なんかきもいやついないの? ゾンビとか!」
「ここにはでないけど……。ゴブリンぐらいかな」
「じゃあゴブリンで!」
ゴブリンの生息地は森の中だな。
森の中でゴブリンを倒しまくってチィのレベル上げと行きましょうか。
「あ、その前に職業を決めるよ! 一緒に来て!」
「はいはい」
私はチィと一緒に職業を決めるギルドに行った。
私は無色でいいけどチィはそうもいかないからね。まぁ、私の予想だけどチィが選ぶ職業は多分……。
「テイマーで!」
「だと思った」
「かしこまりました。では、水晶に手をかざしてください」
チィが水晶に手をかざすと水晶が光りだす。
光が止んだ。
「はい。登録完了しました。まずはテイマーギルドに行って従魔と契約をしましょう」
「はい!」
チィは猫アレルギーと犬アレルギーをもってるから動物に触れあえないからね。
ゲームではアレルギーとかそんなのないからテイマーにするんじゃないかと思ってたよ。そんなチィが選ぶ従魔は誰なんだろう。
「動物動物っ」
「陽気だね」
「だってゲームでは猫とか犬とかと触れ合えるんでしょ!? アレルギーもちとしては神だよ!」
気持ちはわからなくない。
「さ、ついたよ!」
「……ちか!?」
徒歩五分で着いた。
久しぶりの登場。決して忘れていたわけじゃない。チィはバイトで忙しかっただけなんだ。