表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第七層エリア 【異界から来たるは勇ましき者】
361/856

グィネヴィアには明日がない ①

 王都にいるとたまにだけれどものすごく高貴な人に出会う。

 貴族……と呼ばれるんだろうか。その人たちがいる。異世界って感じがすごいよね。いると思ったよ。貴族という輩が。


 で、魔法学園……ってのも一応あるらしく、プレイヤーがそこにいくとすごい魔法を教えてもらえるという話もある。

 私は興味ないけど魔法学園に行ってみた。


 魔法学園には制服がないと入れないらしく、制服は”花の仕立屋”という店で販売されている。なぜ来たのかと言うと、聖杯戦争と呼ばれた戦争の書物を見るために。この学園の図書室で閲覧可能という話を聞いた。なぜ気にするかというとグィネヴィアの居場所。


 「しかし、魔法というのはすごいものだな。私は全く使えないからあこがれもある。ランスロットはたしか水の魔法を使えたな?」

 「はい。湖の騎士ですので」


 アーサー王は魔法の練習をしている人を眺めていた。


 「魔法っていうのはこう、不思議な力を感じるな」

 「それが魔力ですよアーサー王」

 「ほう。魔力……。感じることはできるんだな」


 感じるけど魔法を使えないということか。

 そういえばエクスカリバーが光るのはあれ魔法じゃなくて聖剣の仕様か。


 「さて、図書室にサッサと向かおうか」





 図書室は本が多かった。

 錬金のレシピ本だったり料理のレシピ本だったりなどバリエーションに富んだ本の数々。聖杯戦争は歴史の部類になるだろうから。

 グィネヴィアの居場所を探すのはランスロットのため。ランスロットはグィネヴィアが入った修道院を知らない。もしかしたら書物に……と思ったわけなんだけれども。


 「やはり、裏切りの騎士……として書かれているな。こう、心に来るな」

 「落ち込むな。私は裏切られたと思っていないから安心しろ」


 聖杯戦争について書かれた本を手に取って読んでいたランスロットが落ち込んでいる。


 「ただ、書いてある事象はその通りだ。ランスロットとの戦争、聖杯を見つけたのはパーシヴァルたち……。間違いはない、が」


 なんか嫌そうな顔をしている。


 「これは主観でしか書かれていないな。グィネヴィアもまるっきり悪人扱いだ」

 「くっ……」

 「あいつは優しくて気が利いて……。天然でドジなところもあるがいいやつなんだ。許せないな。私の親友だと思っているやつがこうして脚色され書かれているのは」


 アーサー王がこぶしを握り締める。

 グィネヴィアはそんないい人なのか。会ったことないから知らないけど。でも、物語のグィネヴィアはランスロットと不倫して……とかそんな感じだから私もあまりいい印象はない。


 「グィネヴィアがいるのは王立修道院……。王都の郊外にある」

 「あまりいい噂はないらしいな。本でも残虐な行為をされている絵が描かれている。グィネヴィアは拷問を受けている可能性が高い」


 ……拷問だって?

 そんなのはダメだよ。いや、私の……日本人のエゴかもしれないけど人死にとかはあまり見たくないし拷問もそうだよね。

 私も拷問は嫌だ。


 「大変だ! 助けに行く!」

 「ミキ。言うと思ったよ。行こうか。ともに」


 《クエスト:グィネヴィアには明日がない を開始します》








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ