ラーメン、実食
出来上がったラーメンをだして、私たちは違う部屋で食べることにした。
アーサー王とランスロット、ルシファーにベルゼブブにも同じものを与えた。アーサー王とランスロットは箸の使い方に苦戦しているようだった。
まあ、私も実食……。
「お、うまい」
ちょっとこってりとした脂が麺に絡む。美味いな。
「ほう。美味いではないか!」
「神の味覚に間違いはないに決まっている」
ベルゼブブとルシファーにも好評だ。
やっぱラーメンは美味しいよな。
「……塩のおかげかさらっと食べられるな」
「俺としてはもっとガツンとくるものが好きだが……。これもこれで」
……いったな?
「じゃあ特別だ。ランスロットには背脂を追加してあげよう」
脂を取り出しランスロットのラーメンに注ぐ。
脂がぎっとりと詰まったラーメンになった。
「うっ。胸焼けしそうなほど入れた気がする」
「……いただきます」
ランスロットは麺を啜った。
「……この脂のギトギト感が! 病みつきになる! 美味しいぞ!」
ランスロットは脂が好き、と。
これランスロット揚げ物超好きそう。とんかつとかから揚げとか。お酒をもって飲んでそう。
「見てるだけでお腹いっぱいになるな……。私はいらないからなミキ」
「わかってる」
「ランスロット……。おデブ騎士にならないといいんだが」
その懸念は少しあるな……。
「おいベルゼブブ! チャーシューを奪うんではない!」
「ふん! 我は暴食だぞ? 油断している貴様が悪いのだ」
「……表へ出ろ。制裁下してやる」
「いいだろう。返り討ちにしてやろうぞ」
「喧嘩するなよ……」
私は私のチャーシューをルシファーの器に移した。
「私のあげるから」
「ミキ様……! 見ろ! ミキ様は貴様なんかと違って欲深くないのだ!」
「ははは! 悪魔が欲深くて何が悪い! むしろ欲深くない悪魔を見てみたいものだなぁ! はっはっは!」
ベルゼブブのほうが正論だなぁ。欲深くない悪魔なんていないでしょ……。
そもそも七つの大罪って欲求みたいなものだしね。欲しい、認めてほしい、だらけたい、モテたい、食べたい、怒りたい、あの人見たくなりたいっていう欲求。
ベルゼブブの意見がもっともすぎる。
「ランスロット。その卵をくれないか?」
「かしこまりました」
「その代りメンマをやろう」
あ、アーサー王メンマ嫌いなんだな。美味しいのに。
というか、このゲームでよくメンマを作れたものだ。トッピングはほぼ購入したんだけど……。メンマって竹じゃなかったっけ?
「これでラスクとかあったらよかったかも」
カリカリのラスクを浸して食べるっていうのもよさそうだ。
ラーメンはやっぱり奥が深い。
(決してネタが思いつかないから日常回に逃げたわけではありません。決して……)