湖の騎士ランスロットの加入
獣の国にきた。
獣人の皆さんが元気に暮らしている。ペスト……もとい闇死病なんてなかったみたいに平和だった。そして、今、噴水広場の前できょろきょろと辺りを見回している人間の騎士がいる。
あれがもしかして……。
「ランスロット!」
とアーサー王はかけだしていった。
ランスロットと呼ばれた男の騎士はアーサー王をみると悲しげな表情をしている。
「アーサー王。まことに、申し訳ございませんでした……」
ランスロットは公衆の面前で地に頭を付けた。
アーサー王はちょっとたじろいでいる。どう反応していいのかわかんないんだろうな。それにしても謝罪するつもりは本当らしい。
でなきゃ公衆の前で土下座なんてふつうしないもん。
「ランスロット。頭を上げてくれ」
「私は、許されないことをしました。頭を上げてあなたの御尊顔を拝見することなど私には……!」
「いいんだ。私は気にしてないからな」
「ですが……」
「それに、お前は操られていたみたいだし悪くはないだろ。それで、グィネヴィアはどこだ?」
「グィネヴィアは……。修道院に入りました。冤罪で」
「……冤罪?」
「グィネヴィアは私のために水を汲んできてくれただけなのです。私の目の前ですくっていたので何か仕込む余地はない……。彼女もまたアーサー王に謝罪をしたいといっておりました」
グィネヴィア……。本来はアーサー王の妃だよな。この世界だとアーサー王は女性だから妃じゃなくどういう立場なのか気になるけど。
「私はずっとランスロットがグィネヴィアに操られていたとばかり……。日々グィネヴィアの愚痴を聞かされていたからな」
「愚痴はこぼせど最愛の妻であることは変わりません。妻は根本的には臆病で優しいのです。操るなど到底無理な芸当で……」
「そうか。私の認識が間違っていたか。すまないな」
「いえ……」
ランスロットは未だに頭を上げない。
「……ランスロット。いい加減頭を上げないか」
「しかし……」
「私はランスロットの顔が見たいんだ。見せてはくれまいか」
「わかりました。仰せのままに」
ランスロットは頭を上げる。
髪は白く眼は清く済んだ青色をしている。美形……イケメン。やだ、ランスロット様かっこいいんですけど。
もろタイプの顔をしている……。
「ランスロット。再び仲間にならないか? 私はミキという仲間と一緒に戦っている。ランスロット。お前も来ないか」
「……お供させていただきます。アーサー王」
……え? そういう話になるの?
「ミキ。いいだろうか。ランスロットを連れて行っても」
「か、構わない、けど」
まさかのもう一人英雄が?
確かランスロットは湖の騎士って言われているような。とても強いんでしょ?
「ランスロット。再び世界を旅しよう。ミキとならきっと違う光景が見られるさ」
「はっ。今度は二度と間違いを犯さないよう精進いたします。アーサー王よ」
▷ランスロットが仲間に加わった!