表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第七層エリア 【異界から来たるは勇ましき者】
357/856

裏切りの騎士ランスロットの改心

 どのエリアにも教会はある。つまり宗教があるということ。

 このゲーム……基、この世界での宗教は二つ。光神教と闇神教。光神教は創造神アルテナを、闇神教は邪神カーリを崇め奉っているらしい。


 「すごーい! 教会ってこんな感じなんですね!」


 隣には勇者三人がいる。

 クエストというわけじゃなく偶然居合わせただけ。男の勇者が目ざとく私を見つけて怯えていたりもする。前の脅迫は効果ありすぎたかな?


 「ふふ、異世界の勇者は教会は新鮮なものですかな?」

 「はい!」

 「それはよかった」


 神父さんが優しく説明をしている。いい人そうだなー。

 

 「私を助けてくれた女神の名もアルテナ様だった……。アルテナ様に感謝をしなければな」

 「あー……」


 たしかに依頼はそうだった。

 アーサー王を助けてくれと創造神であるアルテナ様から言われた。あそこにかくまったのはアルテナ様。だけど一介の人間を助けるなんてアルテナ様はなぜそういうことをしたんだろう?

 神様は一人も助けないと思っていたのに。


 「理由、聞きたいですか?」


 と、なんか後ろから声が聞こえた。

 そこには笑顔のアルテナ様が立っていた。


 「アルテナ様ぁ!?」

 「…………っ!」


 神父さん、慌てすぎです。

 とりあえずスクショでもしておこう。光神教の教会に神降臨と。


 「ミキ。私がアーサー王を助けたのは私の尻拭いのためです」

 「尻拭い?」

 「はい。ランスロットを支配していたのは私の魔力が原因でした」


 え?


 「私の魔力がこもった水を飲んでしまい精神が崩壊したのです。そして謀反を起こした……。私のミスで死にかけていたので治したのです。アーサー王。その節はまことに申し訳なかったです」

 「い、いや! 構わない……です!」

 「ランスロットも精神を治しておきました。死者の蘇生は私でも不可能なのでできませんでしたけれども」

 「ランスロットは元に戻ったのですか?」

 「はい。今頃アーサー王に謝罪をしたいと旅をしておりますよ。今は……獣の国におりますね」


 おお、案外近い。

 なら会いに行こうかな。アーサー王も会いたいと思っているだろうし。一度裏切った相手を完全に信用するのは私では無理だけどアーサー王はまだ信頼を寄せているのかなんだか楽しみにしている。


 「ミキ! その、会いにいってもいいだろうか……」

 「いいよ。私も会ってみたいしいこうか」

 「ふふ」


 アルテナ様。で、後ろの神父はどうするんですか?

 なんか泣いてますよ? 感動してますよ?


 「ああ、ここはそういえば私の教会でしたね。なら、私の加護でもつけておきましょう」

 「……あれ、神父様?」

 「ダメだ、死んでる……」


 女勇者二人が神父の目の前で手を振ったりしているが、神父は涙目のまま目を見開いて気絶していた。いや、どんだけ嬉しいんだよ……。


 「あはは。その反応が見たかったんです。では、加護を……」


 アルテナ様。そんなに笑うってことは確信犯だろ。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ