英雄クエスト
それは突然聞こえたのだった。
《五人の英雄がプレイヤーの仲間になりました》
《英雄クエストを開始します》
ということだった。
そして、私はアーサー王が向かわなければならないといってついていく。すると、そこにはチリン、プギー、そして知らない二人がいる。
「あれ、ミキ? なんで?」
「いや、英雄を仲間にしたから……」
そういうとチリンは黙ってしまった。
「ロビンくん英雄なんですかー?」
「はは、そうなんですかね。特に目立ったことはしてないつもりですけどね」
プギーは相変わらずだ。
で、見知らぬ二人は誰を仲間にしたんだろう。
「あ、自己紹介します! 俺はホーライ! 手にした英雄はソロモンです!」
「わ、私は……その、バラユリ……。じ、ジークフリートを仲間に……っ!」
ジークフリートとソロモンか。ソロモンは渋いおじさんって感じでジークは若い青年って感じだ。ロビンと雰囲気が似ているけどジークはなんだか高慢ちきっぽそう。
「えっと、私はチリン。手にした英雄はクー・フーリンね」
「私はミキです。手にしたのはアーサー王です」
「プギー! ロビンくん!」
プギー雑すぎる。
で、なんでこんなところに集まったんだろうか。
「ミキ! 来るぞ!」
「チリン! 構えろ!」
「バラユリいいいいい! 来るぜ! 構えなぁ!」
「プギーさん。危ないです。来ますよ」
「ふぉっふぉ。どれ、ホーライよ。戦うぞ」
と、英雄たちが言う。
まるで最初から来るってことがわかっていたみたいに言っていた。実際わかっていたから連れてきたんだろうな。
英雄五人集まっていることからして厄介なやつだと踏んだ。
で、現れたモンスターはカメだった。
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・崩壊亀
あらゆるものを崩壊させる危険性を持ったモンスター
――――――――――
名前からしてやばそうだ!
図体デカいから攻撃あてやすそうだけど亀って堅そう! 防御と攻撃が高いんじゃないかな。そうなるとちまちま削るしかないわけだけど。
うん、厄介だ。
「初陣は俺がいくぜえええええ!」
とジークフリートが駆け出していった。
手にしている剣で切り裂く。
「バルムンク! いい切れ味だなぁ!」
「貫け! ゲイボルグ!」
「はあああ! エクスカリバーよ! 私に力を貸してくれ!」
アーサー王とクー・フーリンがいった。
亀に当たる。けれど、体力がそんな削れていない。これは本当に厄介じゃないか? 三人の攻撃にびくともしないなんて……。
うーん。どうするべきだ?
「……急所の弓」
「”火炎獄”」
ロビンの弓矢とソロモンの魔法が亀に飛んでいく。矢は亀の眼に刺さった。急所を突いたからかさっき攻撃したクー・フーリンたちより削る量が多い。
もしかして急所をちまちまついていくしかない感じかな。
めんどくさっ。
「厄介だな。亀というだけあり、固い」
「厄介なのは嫌だな……」
「なにいってんだおめー! 厄介なのがいいんだろうがよ! さァ! お楽しみだぜええ!」
「ふぅ。ここまで攻撃が通らないと私の自信が砕けそうだ」
「魔法には結構自信があったんだけどねえ。まあ、カメだからということで納得しようかな」
そして、亀のブレスが飛んでくる。
私たちは躱した。
さて、どう攻略したものか……。
英雄クエストは英雄でも苦戦するような敵しか出ません。
英雄は基本的に強いのです。強さのランクも決まっておりSランクがアーサー王とソロモンとなりますね。ミキ当たり引いた……。
ちなみにはずれが……。これは言わないでおこう。