忌み子の兄妹 ④
ちゃんと人間NPCには空腹があるらしい。ルシファーとか腹減ったとか言わないしベルゼブブに関しては食わせるのが条件だし……。
ここにきて腹を満たすためだけに誰かに作るのは初めてじゃないかな?
「……おなかすいたー」
「お、おれ……もっ……」
んじゃ、作りますかね。
食材はイベントリに入ってるしそれを使うとして……。何を作ろうか。現実の季節は2月で春とはいえまだ寒い時期。このA2Oは冬の季節。
うーん。なら暖かいものだよなー。火かー。携帯型魔道コンロ(使い捨て)が三個あるしそれ使って料理……。ご飯ものは難しいから麺類になるかー。でも麺類も持ち合わせてないしなー。
おかずだけでいいか。
……おでん食べたい。
よし、メニューはおでんだ。普通なら結構煮込むけど料理スキルを取ると時短というものがあるらしい。スキルの書であらかじめ料理スキルを所得済みだ。
よし、おでん作ろう!
「大根にこんにゃく昆布に糸こんにゃく~」
おでんの定番の具はほとんど入れたい。
なので一個コンロを使用し茹で卵を作る。時短スキルを使用。品質は少し下がるとはいえ十分なゆで卵だ。これをおでんの具に。
あとはがんもどきとかなんだけど作る暇がないのでカット。
ちくわは買ってある。
「巾着の中に餅を入れてーと」
で、まあ、割愛。
おでん完成。
「おでん完成!」
「おおっ!」
「美味そうだなー!」
「おでんというものですか? 美味そうですねえ。じゅるり」
「ふふ、美味しそうです~」
天使たちには好評だ。
即席おでんだから具材も具材だけど美味しければいい。がんもどきは入れたかった……。
現実でもよくおでんは作る。がんもどきは自分で作るのが私なんだよね。ただゲームだと買ったがんもどきしかイベントリにいれられないのよね。自分で作ったのは料理扱いだからその場で使わなくちゃいけない。
「じゃ、食べよっか」
「…………」
ハクビが大根を皿にのせる。
フォークで食べている。そうか、箸の文化がない、のか。
「……美味しい。出汁が染みてる」
「あづっ、ほふっ。あったまる」
「優しい味ですねぇ……」
「優しい味すぎてなあ! 私はやっぱりこってりのほうが好きだぜ!」
なんとなくミカエルはそんな気がしてた。
肉料理は結構嫌いじゃない。寧ろ好き。私も肉大好きだし……。もちろん野菜も食べますよ? かぼちゃとか超好きですから。
「美味い……」
「おいしー!」
「ああ……。まともな、ごはんだ」
……まともなご飯も食べられていないのか。
そりゃ、食わせてもらえるわけがないもんな。忌み子って言われてるぐらいだから。……鍛錬させてる間はいいご飯食べさせたいものだ。




