森の英雄ロビン・フッド
まさかの英雄二体目。
ロビン・フッド。名前くらいしか知らないけど本とかあるらしい。ロビン・フッドの冒険っていうやつとか。詳しくは知らないけどね。
こんな青年が英雄……。
「ロビンくんは弓の名手なんですー! 寸分狂わず狙撃するんですー!」
クー・フーリンは槍の使い手だけどロビン・フッドは弓の使い手か。
ぐっ。私も英雄を仲間にしたい……! いや、ルシファーとかベルゼブブとかで戦力は過剰にあるんだけどさ、それでも英雄っていう響きがかっこいいじゃん?
「やめてよ妖精様。僕はそんなすごいものじゃないって」
好青年……だと……。
なんだよこの英雄は……! 笑顔がスマイルでキューティクルだしイケメンだしなんだよ……! 私の勝手な想像だと渋いおっさんって感じだったんだけど……。まさかの好青年。
ぐっ……イケメンはいいな……。
「ふん。下らん」
「はは、辛辣ですね」
「当然だ。当てて当然だろう」
ルシファーも結構強いけど傲慢だからね……。
「……弓は難しいんです。あなたに扱えるんですか?」
「もちろん。我はすべての武器を扱うことは可能だ」
ルシファーすげえ!
ただ、ロビン・フッドもロビン・フッドで凄いんだろうなとは思う。英雄だからね。クー・フーリンも槍の名手ってことで有名だしロビン・フッドもなかなかのものだろうな。
「……傲慢ですね」
「当然だ。我は傲慢を司るからな」
「傲慢を司る……? あなたはもしや……!」
「ルシファーだ。覚えておくがいい」
ルシファーと名乗るとロビン・フッドは微笑んだ。
「はは、やっぱりそうでしたか。なら敵いません。弓に関しては誰にも負けない自信があるんですけどね」
「ふん」
なんの因果が働いたんだ。
ロビン・フッドは先ほどまでの険しい顔をどこへやら。一転して微笑んでいるではないか。うーん。なにかルシファーとあったんだろうな……。
だけどまぁ、喧嘩しないほうがいいだろうしね。
「シャーウッドの森はどうなった」
「それが、数年前に……」
「そうか」
シャーウッドの森。
ほへえ。そういうのあったんだ……。それってどこのエリアにあるんだろうか。あるんならば探したいけど……。そもそもシャーウッドの森……。
「とてつもない槍の名手が現れて森の動物も魔物も殲滅で。見る影もなくなりました」
……槍の名手?
クー・フーリン、だろうか……。ここでつながるのかな……。
「ははは、まあ怒ってはいないからな。ただ、一回だけ手合わせしたいものだと思うけれどね」
クー・フーリンも強い。
ロビンも強いだろう。どちらが上なんだろうな……。
「プギーさん。もうそろそろクエストの時刻ですよ」
「そうだったでーす! じゃ、また!」
と、プギーとロビンが去っていった。
私もそろそろ去ろうかな。