脆弱が見せるは闇の種 ②
火力が足りていると思ったけど撤回。足りない。
何が一番適してるかというとあれだ。タンク。体力多いタンクが剣でダメージうけながらも回復して戦うっていうスタイルが一番いい。
つまり、本来は私とチリンでやればよかったんだ。
それで火力は足りるはずだった。
ルシファーたちを連れてきたことで足りなくなったから。ルシファーたちも攻撃する。そのたびに私が状態異常回復することによってチリンに集中的にかけられないことが多い。
しくじったか。
「”粉骨”」
チリンが大剣で攻撃をしていく。
少しずつだけれどダメージを与えていた。
「チリンだけに攻撃させても埒が明かない」
どうする。どうすればもっと効率よく……。
……ゲイボルグは?
「クー・フーリン! 戦え!」
「しかし……いや、奴隷が逆らうべきではないな。わかった」
クー・フーリンが前にでる。
槍でネズミをついた。体力がごっそり減る。やっぱり。クー・フーリンが一番攻撃力がある。なるほど。タンクに守らせて槍で突かせて私が回復のほうが早い。
そして、ゲイボルグ。思わぬ誤算。
「黒く染まらない……?」
「ゲイボルグには呪い耐性があるからな……。きっと黒く染まるのは呪いなのだろう。呪いというのは毒などと違って武器にかかると装備者も呪われるからな」
なるほど。
「チリンの武器も?」
「うん? あるよ。こういう敵出るんじゃないかなーって予想しててさ……。当たったね」
なるほど。呪い耐性。
ルシファーの剣は呪い耐性なかったし私たち自身に呪い耐性がないから呪いという形で黒く染まるとすると……。状態異常回復より解呪のほうがコスパいいな。
状態異常回復はあらゆる状態異常を回復するがその分消費MPはやっぱり多い。
解呪ならば呪いしか無理だということ。
最初から使っておけと言うと思うけどもしかしたら毒なんじゃないかと思っていた。無駄にするわけにもいかないのでMPには余裕あるし状態異常回復にしていたんだ。
これから解呪にしよう。
「ならばチリンはクー・フーリンと私を守る! クー・フーリンは攻撃!」
「あいさ!」
「が、頑張る」
攻略できる道は見えたぞーーー!
「ぐぅ! 盾が呪いを受けた! 回復!」
「解呪!」
盾には呪い耐性つけてないらしい。
そこまで余裕はなかったんだ。まあいい。解呪するのは基本的にチリンだけでよくなった。効率よく倒せそうだ。
そして、ネズミの体力が半分を切った。
すると……。
「ぢゅ~~~~~~!!!!」
突然咆哮を上げ、そして身震いをした。すると、黒いものがチリン、クー・フーリン、ルシファー、ベルゼブブにつく。
全員が黒く染まり始めた。
呪いの振りまき!?
「くっ! 片っ端から解呪するしかないんだけど……!」
進行速度が速い。
一か八かになるか。考えてる暇はない!
「クー・フーリン解呪!」
「おお!」
「ルシファー解呪!」
「助かりました」
「ベルゼブブ解呪!」
「ふむ……」
三人解呪完了。
私の体力もどんどんと削れていく。もともと少ないし減る量が多い。やばい。時間がない!
「チリン解呪! そして回復!」
そして、私の体力は……。
「回復!」
何とか回復できた。
あっぶな……。そして難なく解呪。そして霧状化。最初からこうすればよかったよ。霧状化なんていう便利スキルがあるんだから……。
さて、気を取り直していきましょう。
耐性必須級。
剣できると呪い耐性が無かったら剣が呪いの装備になって呪われます。