神は帰還する(予定)
私はまた呼び出しを受けていた。
神界。いや、神域。目の前には創造神アルテナ様がいて。隣にはルシファーとかいる。
「よく来ましたね」
「よく来ましたねって勝手に連れてこられたんですけど……」
今日も復興のために頑張ろうと思った矢先だった。
急にここに転移させられた。いや、何か一言欲しかったよ。作業中じゃなくてよかったんだけどさ……。このアルテナ様リアルにいたら傍若無人な人になりそう。
「ある……てな、様?」
「久しいですね。ルシファー」
「アルテナ様!」
「ふふ、元気にしてましたか」
そりゃルシファーの事も知ってるだろうな。
「……ミキ。お願いがあります」
「……なんでしょう」
「他の……四天使を呼んでください」
……まぁ、それくらいなら。
私はミカエル、ガブリエル、ウリエル、ラファエルを呼び出す。ガブリエルはパジャマ姿で鼻提灯を作っていてラファエルはラーメンを片手に持っている。ミカエルはバーベルを。ウリエルは裸だった。
ラファエルはなんでラーメン!? ウリエル裸!
「ひぃやぁ! タイミング悪いときに召喚しますね!」
「ぐぅぅ……。私の本は世界一ぃぃぃ……」
「美味しいですねぇ」
「なんか用か! 神よ!」
いやいや。用があるのは……。
私が視線で促すとガブリエル以外驚いていた。そして、すぐに傅く。
「創造神様! ご無沙汰にしておりました!」
「創造神様。ラーメンいりますか?」
「創造神様。ばとろうぜ!」
ウリエル以外不真面目すぎるだろ!
「ラーメン……。醤油ですか。みそですか。塩ですか」
「豚骨です」
「いただきます」
食べるんだ……。
「ぐがー……すかぴー……」
「……こらっ、ガブリエル! 神の御前で寝ているとは……」
「いいのですよ……。あっ、美味しい。ガブリエルにはちょっと恐ろしい夢を見させます」
恐ろしい夢?
「私の書いた本にコーヒーがぁ!? 全部パァだ! 書き直さないと……」
あ、起きた。
ガブリエルは勢いよく体を上げ、まわりをきょろきょろと見渡す。ミカエル、ウリエル、ラファエル、ルシファー、私の顔を見て、そしてまた寝転がろうとした。その矢先だった。
「アルテナ様ぁぁぁぁ!?」
すごい勢いで飛び起きた。
「こ、これはお見苦しいところを……」
「ずずーっ」
「あの、アルテナ様?」
「……ラファエルのチャーシュー、もらいっ!」
「ああ! チャーシューだけは! ナルトなら!」
「ふふ、チャーシューは譲れません……」
あの、ラーメン食べてるだけだよね? ラファエルと一緒に食べてるだけだよね?
「アルテナ様。それで私たちを呼びになった理由は……」
「んー、みんな頑張って復興してるなーって思って。で、私たち神ではなしたんだけど」
「ふんふん」
「そろそろ戻るよー。神殿とかそんなんは適当でいいからよろしく」
……さらっと戻るって言わなかった?
「今はウリエルのおかげで平和だと聞いたしルシファーみたいな被害者が現れなさそうですから。それにあの時は私もなにかしておけばよかったという責任と後悔もあります。神殿を立て直してくれたら戻りましょう。人も十分いるようですから」
本日はこれだけになると思います。すいません。