主を釣ろう
天界復興計画も着々と進んでいく。
プレイヤーも結構参加していて賑わいを見せていた。だがしかし、足りないらしい。天界側とすると神に戻ってきてほしいということ。
神が戻ってこれるよう、受け入れ態勢を整えたいとのことだ。
で、神殿とかの建設。それは私たちじゃできないから委託した。
で、今。
みんなで釣り。
天界にも釣りスポットがありそこで主と呼ばれるものを釣りたい。
チリン、クー・フーリン、ムーンたちにも参加してもらっているし、ガブリエル、ミカエル、ウリエル、ラファエルにも参加してもらっている。
シュールだ。
「主という輩、一目で見たいものだ」
「そもそも雲に魚って……泳げるの? 落ちないの?」
「ふふ、天界の湖は下に凝固雲があってそれで水を支えておるのですよー」
「管轄はラファエルだからね。ラファエルが知り尽くしている」
「主って強いのか!?」
「ここで主を釣ったひとを湖の主を釣り上げた男として執筆を……」
まぁ、大人数になるとちょっと騒がしいよね。
最初に当たりが来たのはミカエルだった。
「きやがったぜ! ひきやがる! だが、私に勝てると思うなァァァ!」
釣り上げた。
でかい鯉だった。
「これが主か!」
「ふふ、違いますよー」
違うらしい。
ミカエルはちょっとがっかりしているがまた釣りに戻っていた。そして今度はルシファーとベルゼブブの竿に当たりがやってくる。
「む」
「ほう?」
二人は釣りあげた。
ルシファーはドラゴン。
ベルゼブブはリヴァイアサン。
「これが主だろう」
「違うな。主はこっちだ!」
「はん。そんな弱そうなやつが主なわけあるまい」
「そっちこそ図体がでかいだけではないのか?」
「やるのか?」
「望むのならやるが」
「二人ともー。落ち着いてくださいねー。そしてどっちも主じゃありませんよー」
……ドラゴンが主じゃないの?
いやいやいや。ドラゴン以上に主の奴とかいないだろうしリヴァイアサンなんてなんかボスっぽいんだけど!? 違うの!?
じゃあ何が主なんだ……。
「今度は私がっ!」
「ウリエルっちも!?」
「私にも来たようだ!」
ウリエル、ガブリエル、クー・フーリンの竿に当たりが。
それぞれ引っ張る。そして、魚が丘に打ち上げられた。
「うげ、ゴミ!」
「木の枝……」
「ヒトデだな」
三人とも大外れ~。
どれどれ。ここは釣り歴少ないけどこの中では唯一の経験者である私の釣りの腕前を見せますか。こうみえて人魚釣ったから。たい焼きも釣ったから。
「かかったぁ!」
私は精一杯引っ張る。
そして、魚が陸に上がった。丸っこくて上に茶色いものが乗っている。緑の粉が振りかけられていて黄色いものがのっけられたもの。
……たこ焼き。
たい焼きと来たらたこ焼き!? ついに魚の形しなくなったよ!?
「今度は私だァ!」
チリンが糸を引っ張る。
それは、今まで以上に大きい引きだった。そして。
「どっせーい!」
「おお! 主ですねー!」
チリンが釣り上げたのだった。
「主!」
「はい! ラファエル・リヴァイアサンです!」
「……作ったのって」
「私です♡」
…………。
変なものしか釣り上げないミキちゃん可愛いよ。