天使たちの夢現 ②
天界の復興。
まず何をするべきなんだろう。と聞くとやることは一つだった。人々が天界に来るだけでいい。活気をということ。
簡単なことだ。いずれ来るだろう。だがしかし、こんなさびれた街だとすぐにまた……。
ならどうする? 町おこしだろう。
「というわけで町おこしします」
ギルドに戻り、みんなにそう伝える。
みんな黙ってしまった。
「具体的な案をちょっと考えてるんだけど、この作戦にはローイのところとカティのところの協力が必要なの」
「俺らか?」
「私にできることならするけれど……」
ならよかった。
「ローイとカティには天界限定の装備を作ってほしい。それも性能も高く。難しい要求だと思うけどお願いしたい」
まず人々は限定という言葉に弱い。
だからそこをついてみよう。ただ、一番の問題点はと言うと。
「リピーター、だよなぁ」
足繁く通ってくれる常連さんも必須。
ならばなにをするか。飲食店にでも手を出そうか? 新たに料理スキル全振りなひとをいれて……。天界でも満腹度を補充する方法がほしいね。
食材ならばこっちから持っていけばいいし、補充係もつけて店番でもさせればいい。
「というわけで私たち今度飲食店に挑戦しようか」
「なにがというわけなの?」
冷静につっこまれた。
「まず店とかを豊富にする。ということで店を建てようかと思ってるんだけど武器店と防具店だけじゃ味気ないしなにより満腹度がね。だから作ろうかと」
話によると天界に一つダンジョンがあるらしい。
そこの近くに出そうかと。ダンジョン目当てのプレイヤー狙いで行こうかなってね。
「こんなかで料理スキル全振りしてくれる人いる?」
私はそう切り出した。
全振りでなくてもいい。ただただ美味しければいいんだ。贖罪はいい奴を使わないと思う。格安で美味しく作れるならそれはそれでよし。
だけど、さすがに全振りは無理だろうな……。
チリンなんて料理できないしね。
チリンが料理すると後片付けが大変なんだよ。まるで戦争が終わった後の片づけしてるようなもんで。何か知らないけどチリンがやると鍋が変形している。
それが怖くてチリンのお母さんは絶対に料理させないとか。私もさせないけどね。
「……私、やる!」
「……はい、いない、と」
「ええ! 私料理したい!」
チリンよ。君だけはダメだ……。君の料理の腕は壊滅的だし、なぜそうなるかわかんないほどひどいだろう?
「……チリンがやるならチリンでも」
「私はいいと思うがな」
と、周りは賛成しているけど……。
みんなチリンの料理の腕を知らないからそういうんだ。これを聞いてでもさせたいと思うのか?
「……昔、チリンが作ったカレーライス。あれで生死をさ迷ったことがある」
辛すぎてぶっ倒れた。
そのまま入院し翌日はトイレとお友達になっていたよ。嫌な思い出だ……。
「そして、チョコレート。食べた瞬間に胃に穴が開いた」
ストレスなんかじゃなくて。
強力な酸でも入ってるの? 淘汰がいたくなるほどすっぱかった……。
「野菜炒め。肉しか入ってない。しかも焦げてる。まっくろくろで……」
「もういい! わかった! 私もチリン反対!」
「僕も反対!」
「さすがにダメだ……。食中毒患者を出すわけにはいかない……!」
はい。満場一決でダメですね。
寒くなりましたねぇ。朝起きると寒いので布団にくるまりたいですがお仕事があるせいで布団と離れ離れになるんですよ。
日本人は働きすぎ。作者は週休八日を希望します。