四天使は堕天使と踊る ②
決着はついた。
いや、ついてない。どちらも息を切らしその場に倒れこんだから。ミカエルも、ルシファーも強い。その事実が残るだけだった。
「腕は……落ちてないようだな」
「あったり前だろ~! 腕落ちるようなら兵士長として失格だっつーの」
仲いいなぁ……。
「……ルシファー。よく戻ってきてくれたな」
勝負が終わったころを見計らったのかウリエルがルシファーに近づいていく。
その顔は笑顔だった。さっきまで全く笑っていなかったのに。
「戻ってきてはいない。天界に今更戻るつもりはない」
「……ならば人間の世界で暮らすのか? ルシファー」
「そのつもりだ。それに、我には仕えるべき神がいる。その方の元で仕えることが我が使命」
と、ルシファーが私を見る。
嬉しいなあ。ルシファーみたいな美人さんに忠誠を誓ってもらえるなんてさ。
「……神?」
「言い忘れていたけどミキさんは精霊の創造神で立派な神様なんですよぉ」
ラファエルがそういうと天使が一斉に傅いた。
え?
「神であったとは……。先ほどまでの無礼を許し下さいミキ様」
「神のためならばわが身を惜しみません」
「まあぶっちゃけ私は強い人ならだれでも従うけど……。神に仕えるのは天使だからな」
ミカエルは単純に強い人主義なのか……。
「……えっと」
「我々は元天使長。神が困ったときにはいつでも手助けいたします」
嫌な予感がしなくもない。
「ガブリエル、ここに忠誠を誓います」
「私も誓うぜ。……まあ、戦いは得意だから任せろ!」
「癒すのなら得意です~」
《ガブリエル、ウリエル、ミカエル、ラファエルを召還可能になりました》
…………。
いや、うん。やっぱりね? なんかあると思ったよ。召還可能……。実質仲間になったようなものだろうけど……。
ラファエルは回復要員……かな。ふと気づいたんだけど私のギルドに回復要員いないのよね。ラファエル加入は有難い。
ガブリエルは……なにができるんだ?
「ガブリエルってなにができる?」
「はっ。私はメッセージを届けるのが一番の得意です。神の便りならば速攻で届けましょう」
「おっけ」
フレンドメッセージがあるから多分使わないだろうけど……。
「ミカエルは……戦闘か」
「おう! どんな魔物も蹴散らすぜ!」
実力はさっきみたからな。ルシファーと互角。ならば心配はないだろう。
「……ウリエルは?」
「私は……応援でしょうか」
あれか。チアガール的なやつか。幼女に応援されたら嬉しくなるけど……。
いやいや、応援だけか?
「私はもともと財政を担当していたので……! お金なら完璧に預かりますが……」
なるほど。ウリエルか……。
死ぬ……ことはまずないだろうけど一応預けておきたい。いや、持ってると浪費するし……。私って意外と浪費癖あるからね。ゲームの中では……。
まあ、とりあえず、仲間を四人手に入れた!
この天使四人を呼べるのは……流石に、ねえ。