初心者とミキ ①
眠いながらも一話頑張った……。たぶん午後はないです。はい。この一話だけです今日は。
俺はつい先日A2Oを始めたばかり。
種族は王を狙おうとランダムを選択した。王というシステムは不公平ながらも面白いと思ってそれを狙おうと思ったから。
結果はと言うと。
「よっしゃ! くっ……」
俺がひいたのは悪魔という種族だった。
仕方がないからこれで遊ぶとしようか。
で、友人と待ち合わせしている。
噴水広場にいるっていうから……。行ってみると腕組みをして友人であるワープがむすっとした顔つきで立っていた。不機嫌というわけじゃなくこれがいつものワープ。
俺は声をかける。
「ようワープ」
「来たかアンチ」
俺の名前はアンチ。
なんとなくアンチにしたっていうだけの普通のプレイヤー。その、俺のちょっと怖かった話? だ。
初心者だしやることはたくさんある。
今一番優先しているのがギルドの加入。プレイヤーが作るギルドに加入したいというのが目標だった。できれば王がいるギルドに加入したいなーという願望を抱きつつ歩くと、一等地に来た。
一等地には王のギルド拠点が複数あるらしい。
なので、人多い。
「うげえ……」
王は有名だからこんなに人が多いのか、ちょっとでもおこぼれもらいたい人ばかりなのか。わからないけどとりあえず言えるのは人が多い。
「さすが王だな」
ワープは少し笑っていた。
王は有名。その中でずば抜けているのがミキというプレイヤー。外見はものすごく美少女らしいんだけれど、ものすごく非道だとか。
いや、優しいっていう人もいるし周りの評価がブレブレな王がいて。できれば会いたくないなーなんて思っていたりする。
「すごい人だねー」
「そうですね……」
声をかけられたかと思って適当に相槌を打った。
女の人の声。顔を見ると、ものすごく美少女だった……。えっ、なにこれ。なんか胸が痛いんだけど。運命? ベートーヴェンが俺の中で作曲した?
「やっぱり思うよね……。さすがにここまで多いとは思わないよ」
「で、ですよね……」
「君たちも見たところ初心者のようだけどギルドに入りに来たの?」
「「はい!!」」
俺らが元気よく返事すると可愛い女の子がふふっと笑う。
「なら私が紹介してあげるよ。どの王がいい?」
「えっ、伝手あるんですか!?」
「まあね」
そう言われたので俺らは相談していた。
実際入りたいギルドは……。
「魔王さんのところで」
「同じく」
「トロフィね。わかった」
それにしてもこんな美少女が王との伝手があるなんてなー。美少女だからだろうか。小説とかラノベじゃ美少女って大抵有能だしな!
ゲームから始まるラブコメディ。俺主人公になりたい。
「うし、連絡ついたからいこっか!」
「はい!」
めずらしくミキじゃない視点