王たちのドレスアップ
私は今ドレスに身を包んでいる。何かのイベントっていうわけでもないけどね。
ここは王が揃っていた。そして、そろえた人物がいる。
仕立て屋マカロンのオーナーであるパッチ。
チリンがどうしてもっていうから来たはいいけどドレスの試着ということだ。
私が着ているのは”精霊妃のドレス"という自然チックなもの。白を基調としながら緑も施されていてそれはまるで幻想的な精霊のようで。
……可愛いんじゃないの? むふふ。
「どうでしょう! それぞれ王のイメージにあわせて作りました!」
というらしい。
私はいいけど、マシュマロがなんか……。
「アイア〇マン?」
「かっこいいですよね! アイ〇ンマン!」
機械だからだろうけど……。
でも意外と似合うのはなんでだろう。
「妖精のドレス! 可愛いでーす!」
「ちょっとプギー。静かに。はしゃがない」
プギーポギー姉妹も着ていた。
プギーは百合のような白さのドレス。私のようなうっすらと緑かかってるものじゃなく本当の真っ白。リリーホワイトってことなのかな?
まあ、女性陣だけじゃないんだよねいるのも。
「……禍々しい」
「魔王だからな」
トロフィ、ガガトツ、ロト、マグダッド、ニルもそれぞれ衣装がある。
どんだけ作ったんだよ……っていいたい。まずトロフィは紫。なんだかぐるぐる渦巻いてる。魔王だからか禍々しい。
ガガトツはまるで獣のような感じというか、パンクって感じ。
ロトは勇者。以上。
で、マグダッドなんだけど……。
普通のタキシードだった。
「普通のタキシードで”君の血を啜らせてもらえませんか? 愛しきプリンセス”っていわれるのが私の夢なんだ……」
だから普通のなの……。だけど胸に十字架のロザリオはいらないんじゃない? ヴァンパイアってそういうの苦手っていう言い伝えあるし。
「ふふ、私もドレスアップよぉ……」
「……不気味」
「幽霊っぽくてなかなか気に入ったわぁ」
というか、ドレスというより白装束やん。なに? 切腹でもするの? 介錯って必要なの?
「おふっ! 王全員をそろえてドレスアップさせるのが目的だったのよね! スクショいい!?」
「まあいいけど」
「おう!」
……あっ。
「そういや新たにまた王誕生させたんだ……。だから全員ってわけじゃない、けど」
そういうと、マグダッド、ニル、マシュマロ以外の人がこちらを見る。
ははは、言うの忘れてた。
「なんだと!? 王が誕生したのか!?」
「ふ、ふふ。さすがミキね……。いい守護霊持ったわね……」
騒ぎになっていた。
そして、パッチはと言うと。
「どんな王!? 誕生してないのは二つだよね!? この前アナウンスあって新たな王追加されたのと、少し前に追加されたの! どんな王かわかる!?」
「うん。まあ、片方は想像ついてるし、片方は……うちのギルメンだし」
「教えて!」
まあいいけどさ。
「……ん? 想像できるってことは解放したのって……」
「あ、どっちも私、です」
「「「「「「…………」」」」」」
私、運だけはいいから……。
風呂場で思いついた話。すんなりかけた。