欲望は暴食。悪魔だろうが食い散らかす ①
ワールドクエストが発生した。
わぁ久しぶり……じゃなくてだね! またなんで発見してるのぉ!? そういうつもりで来たわけじゃないし、魔界にも結構プレイヤーいた時点で私じゃない可能性もまだあったはずなのに……。
まじかよ。いや、あの、そのさぁ……。
ま、まあいいや。受けて手紙の内容を読もう。
「私の名前はミッシェル。トレジャーハンターをしている人間だった。だがダンジョンで転移罠に引っかかってしまいここにやってきた。どうやって出ればいいのかわからない。そして一匹の魔獣も一緒に転送されてきた。怖い。怖い。
誰か助けてください。欲深い私に救済を与えてください。悪魔すら食べてしまうような猛獣です。その魔獣がいる限り悪魔はこの世に増えません」
ふむふむ。
となるとなんとなくだけど報酬が分かった。いや、解放されるのがわかったよ。
「魔獣……。転移罠。ふむ、そんなの仕掛けた覚えがないがおおよそ魔術師が仕掛けた罠が偶然この城の宝物庫の座標を指定したのだな。外部の魔法を防衛する機能はつけていなかったしな」
「魔獣討伐行く?」
「無論だ。我が居城を巣食っているのだとしたら躾ないとな」
ベルゼブブはやる気だった。
私も先に進んでいくと、鳴き声が聞こえる。鳴き声というより咆哮か。思わず耳を塞ぎたくなるような音量でちょっとうるさい。
「さすがに音は避けれない……!」
鳴りやまぬ咆哮。うるさくて攻撃どころではない。
「神よ。我が特攻してまいります」
「なんて?」
五月蠅くて聞こえない!
するとルシファーは一人勇猛に突貫していく。すると、突然音が止んだ。私たちも走って現場に向かうと10mはあるだろう猪が口にバツ印をつけられていた。
「悪魔喰い……それも突然変異種。なるほど。たまに地上に出ては悪魔を食べていたな? 見事な暴食っぷりだ」
「神よ。沈黙魔法をかけておきました。どうぞ痛めつけるなり」
助かる。
鑑定してみると悪魔喰いというそのままの名前であり、レベルも相当高い。レベル89となると第六層の人たちが5人くらいでやっと勝てるか程度か。
結構いいレベルをしている。ただ、こっちには最強の助っ人が二人いるし大丈夫だろう。
「見事であるが、わが居城で好き勝手暴れるとならば話は別だ。躾けてやる。こいブタ野郎」
「ブオォォォォォォォ!!!」
突進。
牙をこちらに向けベルゼブブに向かって突進だ。動きは案外素早くベルゼブブが危うくかわすと壁に穴が開いたのだった。
なんちう威力。
「ほう。暴食の罪である我を食おうとしたな? 面白い」
と、ベルゼブブの背中にデカい蝙蝠の翼が生えてさらに顔半分が黒く染まった。本気をだした……ってことなんだろうか。
よくわからないけど、グレードアップはしたと思うんだよな……。
タイトルださいとか言っちゃいけない。
ちなみにベルゼブブはほぼ中二病と考えてください。作者も気持ちがわかるよう右手に包帯を巻いて力を封じて書いてますので。
今も疼いてます。びんびん疼いてます。