ベルゼブブの魔界案内ツアー ②
ベルゼブブの居城に到着する。
だがしかし、無人というわけでもなく一種の観光地みたくなっていて悪魔が出入りしている。
「ここはどこなんですか?」
「お嬢ちゃん知らないで来たのかい。ここはかつて悪魔王ベルゼブブ様が住んでいたお城だよ。ベルゼブブ様がある日突然いなくなったものだからこの城もなくなりそうでねえ。こうして観光地として開くことで今でもベルゼブブ様のお帰りを待っているんだよ」
へぇ。観光地なんだ……。
で、後ろにいるベルゼブブは少し困惑している。
「……まあいい。中に入るぞ」
と、足を踏み入れると周りからブーイングが飛ぶ。
列に並んでいた悪魔からだ。順番は守れーだとかそういうごもっともなブーイングが飛ぶ。日本人みたいだね悪魔って。言っちゃ悪いけど……。
「きちんと守れー!」
「後ろに並べー!」
批難が飛ぶ。
だがしかし。
「ああ゛?」
「うるさい」
……二人とも黙らせたあああ! 強引な手法でねじ伏せた!
睨みつけてヤジを消えさせたよ! ルシファーもなんで睨んでるの!? ベルゼブブそんな怒るなって! っていうか謝りなさいよ!
「行くぞ我が主よ」
「……うん」
正直入りづらいです。順番待ちのかたごめんなさい。
中に入ると鎧などが廊下に飾られており、何より目についたのは食堂のデカさ。
「我は食い足りぬ。暴食だからな」
納得。
この厨房も結構な料理を作るのに重宝するだろうし、暴食というのだからベルゼブブも結構食べることも容易に推測できる。
「この厨房の下に……我しか知らぬ隠し階段がある」
と、ベルゼブブが扉をあけ何かを唱えると階段が現れた。
長い間放置されていたのにも関わらずその階段は埃っぽくはない。まるで埃すら避けてしまうような感じだ。
「この下が我がため込んだ財宝のありかだ。主ならば好きに持って行っても構わぬ」
「ならお言葉に甘えて」
長い廊下を歩いていると、なにやら足に当たった。
ライトで照らしてみてみると……。
「骨?」
それは太くてまるで人間の骨のような感じ。というか、人間じゃね?
恐る恐るその近くを見回してみると……。
「うぎゃあああああ!? 人骨だああああ!?」
骨の状態の人が壁にもたれて死んでいた。
「ふむ、侵入者がいたとはな。おおよそ出られなくて死んだのだろう。バツが当たったのだな」
「我が天使が弔うのがこいつの幸せとなろう。天国に行ったのか地獄に行ったのかは知らぬが安らかにな」
と、ルシファーが祈っていた。
まあ、天使だからね……。
「ただどうやってわれの魔法を解いた?」
「……手紙が落ちているぞ」
その手紙を私が拾う。
《ワールドクエスト:人間の欲、悪魔の幸せ を受けますか?》
……はいい?
ワールドクエスト久しぶりにでてきた。
まあ、同じワールドクエストを発動させるのもあります。これは一条件としてベルゼブブとの契約が必須条件ですがそれ以外にも方法があります。
ちなみにベルゼブブの契約条件がいちばんむずいです。