魔界の素材
ギルド対抗戦から数日後。
私はルシファー、ベルゼブブと一緒に魔界に来ていた。なんでこうなったかって? 教えてあげようか。時は二日前にさかのぼる。
「欲しい素材が見つからない?」
ソゥ様からその相談を受ける。
「うん。どうも”闇蝙蝠の羽根”がなくて。この世界には存在していないっていう情報があるんだよね」
そういう話を聞いてルシファーたちに相談すると怠惰を司る悪魔ベルゼブブがありかを知っているという。
で、そのありかが魔界。どうやら闇蝙蝠は魔界の生物らしく魔界にいかなければほぼ出くわすことはない。たまに現世に紛れ込むってこともあるというとか。
「闇蝙蝠よ。その羽根を暴食の魔王ベルゼブブがもらい受けようぞ」
というと闇蝙蝠が墜落していった。
状態を鑑定してみると飢饉状態。満腹度を奪ったらしい。0になると餓死するはずだからこういうの厄介だよね。
「その羽根、我が神に献上せよ」
ルシファーも剣で斬りまくっていた。
おかげで闇蝙蝠の素材がもう百を超えそうだ。結構デカい群れにぶち当たったみたいで数が多い。これだけあればソゥの爆弾はたくさん作れるだろうか。
「いい働きをしたと思うぞ我が主! どうだ!」
「ふっ。その程度か。我のほうが多いぞ!」
「なにをぅ! ならば我は違う素材をとってくるのみ! しばし待たれよ!」
「我も負けぬ! 待っていてください神よ」
と、ルシファーとベルゼブブが別方向に飛んでいった。
ぽつんと取り残された私は、とりあえず満腹度を回復することにした。簡易料理セットを取り出し、軽く料理をする。
野菜炒めでいっか。塩コショウは目分量~。
「うまいなぁ」
A2Oって失敗した料理じゃなきゃ全部美味しいの狡いと思う。失敗したのは食え多様な味じゃないけどね。
満腹度も結構回復したし、次はどうしようかな……。
「主! 戻ってきましたぞ!」
「神。ただいま戻りました」
「二人ともはやっ!?」
さっき出てきたばっかだよね!?
「これは魔界だけで取れる魔鉱石という素材でな。これを大量に持ってきた」
「これは魔角材と言われる木。いい杖が作れましょう」
……ローイとカティさんに渡したらどうなるんだ?
まぁ、使うだろうしこれを集めさせるか。
「ベルゼブブ。ルシファー。持ってきた素材を結構集めて」
ローイたちも上げよう。
そうしたら武器もちょっと強くなるはずだ。魔鉱石と魔角材……。魔界だから魔がつくのかもしれない。悪魔の聖地だからね魔界ってのは……。木とか鉱物も魔物になってそうだ。