機巧士の町
大型アップデートが明けた――
《第二層エリアが解放されました》
《新たな王が追加されました》
《新たな種族が解放されました》
その報せが、プレイヤーすべてに届いたのだった。
この中でも、一番驚く報せは一つ。それは、新たな王が、追加されたということ。つまり、限定種族が一つ追加された……ということだ。
もしかしたら、これってエリアを解放するごとに追加されていくシステムなのだろうか……。それとも今回だけ……というものなのかな?
「まあ、いっか。第二層エリアに、向かってみるとしようか」
私は、第二層エリアにつながる道を、歩いていった。
第二層エリアについたのはいいんだけどもさ。
なんか、一層エリアと違った雰囲気がある。オイル臭く、第一層エリアより文明が進んでいて産業革命の時代……という感じだ。
機械が動いていて、ガソリン臭い。嫌な人は相当嫌なところだな……。フィルタリングはできるみたいだね。その人たちのことを考えてだろうな。
私はこういう匂いは平気だし、このまま歩いていこう。
とりあえずここはどこか知るために、道行く人に聞いてみよう。
「すいません。ここはどこですか?」
「ここかい? ここは機巧士の町。クロックエリアさ」
なるほど。第二層は機巧士エリア。つまり機械仕掛けの町ということだね。
「へえ。すごいですね。やっぱり機巧士の町だけあって機械がたくさんありますね」
「……まあ、な」
と、なんだか歯切れが悪い返事が返ってきた。
「実はな、機械仕掛けの町……なんていわれてるんだが、ここ最近、機械の調子が悪くてな。機械が動かない……んだ」
「機械が動かない?」
「原因はわからない。なあ、少しでも気になることがあったら俺のところに来てくれ。些細なことでもいい。報告を頼むな」
といって男の人は去っていった。
この町に異変が起きている。機械が動かなくなった原因を探れということだろう。そして、なにより次のキークエストはこれだ。
機械の異変を治めろということがキーになる。それにつながるクエストもきっとある。
まあ、すぐに踏破するのもあれだし……。というかレベルがねえ。
「……とりあえず、ここのエリアのモンスターでも確認しておこうかな」
マップを開き、平原を見つけ、そこにいくことにした。
第二層エリアの、未知の敵。私は、ちょっと興奮してるのかもしれない。
短いですが第二層エリアのプロローグとして見てください。