悪質プレイヤーとポーションづくりの少女 ②
振り下ろされた剣を避ける。
こりゃ逆上しているな……。話しを聞かないし、この手の人は厄介だ。殺すわけにもいかないし……。殺したら私がPKになるかもしれないしね。
だから殺さずに堪えて運営がBANしてくれるのを待つしかないのかな。いや、正当防衛が成り立つ?
「こんな人混みの中でPKとか僕に対する挑戦状かな?」
といって現れたのは。
「ミキちゃん。殺すなら素早くためらいもなく殺さないと」
元PK。マグダッドだった。
目の前の男は消えていく。どうやらキルされたようだ。
マグダッド……。なんでいるの?
「こういうPKは自分さえよければいいってやつだから躊躇しないほうがいい」
「さすが元PK」
「……鑑定してみたけどブルーじゃないし結構PKしてるねえ。オレンジだからそんなないけど」
「赤が一番PKした回数が多い人だっけ」
「そう。俺がレッドネームでしょ?」
PKしたらカルマ値が増えるらしい。
それは滅多なことでは消えず、そのまま残ってしまうとか。完全に消すには教会で必死こいて神様に許しを請うくらいしなくちゃいけないとか。
「で、こいつはPKギルドの一員でもあるね」
「PKギルド?」
「そういうものがあるんだよ。名前は……殺人鬼の街とかそんな洒落た名前だったっけか」
マグダッドがそういうとみんな「あー」といった声を出した。
え、そんなギルドあるの。知らないんだけど……。
「俺も昔勧誘されて見に行ったことがあるが、ひどかったな」
マグダッドが言うには次の獲物の話とか、だれをキルしたことがあるとか。
「で、最近の目標はミキちゃんをPKすることらしい」
「私を?」
「ミキちゃんをPKしたらミキちゃんをもPKできる力もったギルドって知られるでしょ」
あー、そういう狙いが。
っていうかさ。
「マグダッド妙に詳しいね」
「蛇の道は蛇っていうでしょ? 伝手あるのよ」
内通者がいるっていうわけか。
その人もPKなんだろうなあ。
「まぁ、僕的にも面白くないギルドだしそろそろつぶしたいなーとは思ってる。だから、やらない? ギルド対抗戦」
「……私は、いいけど相手側とかチリンとかに確認は?」
「相手側はいいと思うよ。ミキと対戦できるいい機会になるだろうって考えもなしにくるだろうしね。そもそも、戦力なら僕とミキちゃんで充分。過剰戦力もよくないし舐めプしていこうよ」
「……わかったよ」
まぁたしかに強いよ。私たち。
舐めプするのは私の主義じゃないけど、悪人に舐めプしても別に心痛まないな……。
「あ、あの!」
「うん?」
少女のことすっかり忘れてた……。
「ありがとうございました! 私ポギーといいます!」
なんかどこかで聞いたことがあるような名前だなあ。
「お礼に買うといったポーションは無料でよろしいですので! フレンドだけなってください! メッセージで出来た時に連絡したいので!」
「わかったよ」
ポギーとフレンド登録を済ませ……。
「プギーと名前が似てるな」
「あれ、妹の知り合いですか?」
「え?」
「え?」
君プギーの姉だったの!?
作者携帯落として画面割りました。
ぐっ……。ちょっとショック…