ソゥの戦闘事情 ①
「お疲れ様でーす。今日の撮影は終わりでーす」
監督の言葉が聞こえる。
そして、私は歩いて家に帰ることにした。この距離ならば電車使えば帰れなくもないし、今日はちょっと歩きたい気分だから。
ちょっとブルーなのは……単に疲れてるだけだから。
疲れてるから気持ちが落ち込んでるわけで。歩いてストレス発散するのもいいかなと思ってみたり。変装するのもなんだかアレだしなぁとは思うけどね……。
とりあえずパーカーのフードを目深にかぶるだけでもいいかな。
「それでは、また明日よろしくお願いします」
そういって現場を後にした。
まだ一月。北海道みたく雪は降ってないけど肌寒い日が続く。
「疲れたなあ……」
今日も疲れた。
結構走ったし、恰好が恰好だったもんで寒かった。帰ってゲームやって寝ようかな……。
家に帰り、ヘッドギアをかぶる。
早速ログインした。
店の在庫も結構ある。回復薬とかもあるし、私が作ったヘンテコ薬もあったりする。前に使った動物変身薬とかボイスチェンジ薬とかね。
ボイスチェンジはほんとにただの遊びでしか使わないね。
私の本職は錬金術師。
そして、私には今やることがある。それは、二次職へと昇格することだ。錬金術ギルドで依頼をこなしていき、錬金術師としての職業を進化させる。
それぞれ派生するものがあるらしく派生したものをだすには条件が必要だったりする。例えばマジックアルケミストならば状態異常付与薬をたくさん作るとかね。
私はなりたいものがある。だから、そのためにたくさん作るもの……。
爆弾。
実はというと錬金術で爆弾も作れるんだ。で、進化先に爆弾魔というものがある。錬金術師は基本的に戦い向けじゃないため私も戦うようになりたい。
爆弾魔はその名の通り爆弾を自由に操る職業。もちろん回復薬も変わらずに作れるが、爆弾制作に補正がかかり成功しやすくなる。そして、爆弾使用時に爆弾の威力もちょっとあがったりもする。
いわゆる爆弾特化の錬金術師。
「私も戦えるようにならないとね」
ミキちゃんの足を引っ張ってばかりじゃだめだよ。
錬金術師でも戦う。
「でも爆弾は何個作ればいいんだろ」
具体的な数値は知らない。
とりあえず勘でやってるけど……。うーん。材料的に五十個くらいしか作れないか。仕方ないとはいえお金面が痛いなあ。
この素材もただじゃないし、進化出来たらいいかなって程度で作っていこうかな。
金策も考えないといけないなぁ。
そうして、私は爆弾づくりに没頭するのだった。
要するにキラーク〇ーン