第六回イベント ⑥
もう考えることをやめた。
作戦だなんていらん。
「防衛なんて考えず敵だけ排除することを考えて!」
相手を倒すことが防衛につながるんだから。
考えたら負けだ。
「好きに暴れていいよ!」
といって私は去っていく。他のプレイヤーの顔がどんなになったのかは知らない。けど、効果があると信じたいものだ。
さて、私も暴れてきますかね。
雪と風の精霊は吹雪を創り出している。
その吹雪を抜け、敵陣へと攻め込むことにしたい。護ってばかりじゃ進まない。攻撃こそ最大の防御。相手の対象をやってしまおうか。
というわけで、ひたすらローラースケートで走る……ことはできないのでベアンのところでスノーボードを買ってそれで向かう。
デザインはいいし、動きやすい。
だがしかし、このスノボー。怖い。
たとえると、スノーボードがあります。それにジェットがついてます。って感じかな? ジェット噴射で斜面を滑ってるといえばいいだろうか。
めちゃめちゃ早い。
おかげで操縦が難しいんだよ……!
「今年もスノボーいきたーい」
今の季節は冬。新潟のほうにいけばできるだろう。お母さんに頼んでみようかな? じゃなくて……。
「……どうやって止まるんだろうこれ」
さっきからの悩みがそれだった。
ぶっつけだったために止まる方法を考えてなかった。スノボーで止まる方法でいいのかな。なんだかボード自体が壊れそうな気もするけど……。
「……どけどけえ!」
もうね、さっきまで考えるのが辛かった分脳を休めないと。
というわけで考えるのをやめる。
「おわっ!?」
やめたら弓矢が飛んできた。
私狙えるなんてすごいな!? 相当上手い! この速さで当てることが出来たら神ってもんよ! 私だって無理だよこれには!
「ん?」
一瞬だけど、目の前にマーヤが現れたような……。
「……なにしてんの」
「マーヤ!? ついてこれてんの!? 走って!?」
「んなわけないでしょ。単純にスキーの効果だよ」
スキーもあるの!?
「向かってる理由も多分同じ」
「大将を……?」
「そ」
ということだった。
「それにしても、このスキー早いね」
「どうやって止まるのかわかんないから教えて」
「……普通にハの字にすれば止まるよ」
「こっちスノーボードだよ!?」
「知ってる。ふざけただけ」
わかりづらいよ!?
「はぁ……。ま、普段と同じように止まればいいよ。やってみな」
と言われたので普通に止まってみる。
お、おお。止まった。
「イグナイトスノーボード……。なるほど。加速効果が付与されてるからだんだんと早くなっていくのか。移動速度に重点を置いた感じ。移動だけなんだ」
移動でこんなとか心臓持ちません。