第六回イベント ④
俺たちの陣営は頼もしいことこの上ない。ミキさんが指揮を執るからだ。
俺たちはその駒として動く。俺もその一人だった。
先ほどまで落とし穴をほっていた。
今は剣を構えNPCと対立している。
「どりゃあああああ!」
剣を振り回す。
敵を切り、どんどん敵本隊へと突き進む。この雪で北海道人がつとまるか! 毎日雪かきあるんだぞこちとらぁ!
雪は走りにくいから嫌いだぜ!
「ぐぅ。流石に無理か」
暴れているとNPCから切られてダメージを受けたのだった。
ちょっと減ったくらいだからまだ大丈夫。次こそは頑張ると決めた。ミキさんへの貢献のために。イベントの勝利のために。
「死ぬまで戦うぞ!」
王たちはいまだ見えない。
あの時王たちを呼びよせていたのは食い止めるためだろうか。だとすると、すごいや。王を得たプレイヤーは理論上私たちでも倒せる。ただ、ステータスに違いがありすぎる。
「どりゃりゃりゃああああ!」
敵を蹴散らす。
少しでも減らしていこうか。
プレイヤーたちとの交戦も終えて町の中に戻る。
街は戦争なんて起きてるのがわからないほど静かだった。普通にお店も経営しているし危機感がまるでないような気もしなくはない。
聞いてみる。
「ベアン様なら大丈夫」
みんなベアンを信頼している。
きっとなんとかしてくれるだろう。その重圧がかかるだろう。俺がその立場ならすべて放棄しているかもしれない。
……すべてはベアンのために、か。俺と同じ思考だ」
すべてはミキのために。
「よーし、頑張るぞ!」
気合いを入れなおし、回復ポーションを飲む。
そして、また剣を持ち、雪中へと進行していくのだった。すべてはミキのために。我らミキ親衛隊。押してまいる!
ミキあるところに我らがいる! ミキ様が許可するまで死ぬわけにもいかない。
今回は特に短いと思います。すいません。