第六回イベント ①
イベントが開かれることになった。
内容は攻撃側と防衛側の二つの陣営に分かれ戦う……。攻城戦に近いような感じ。相手の陣地を取ったほうが勝ちという。
で、イベントなうです。
「狼陣営をやっつけるぞー!」
ウルフェン陣営とベアン陣営の衝突。これをイベントに持ってきた。
なので普段おっとりとした顔つきのベアンさんがいつにもなく真剣な顔つき。野生のくまみたいな感じしかしない。
まぁ、熊だからだろうか。筋肉はもりもり。
「いずれやるとは思っていたけどな……。仕方ない。全力をもって相手してやろう。それにあたり、私以外の総大将を一人選出してほしい」
ベアン側の陣営会議でそう言われる。
すると、一斉にこちらを向いた。えっ。
「私、やるの?」
「ミキしかいないな」
「ミキだけだろ」
「適任だ」
と言われても。
それに、こっちのほうが若干不利だ。
マグダッド、マシュマロ、ニル以外の王はすべて敵陣営に属しているし、トロフィ、ロト、プギー、ミソギ、ガガトツの相手は誰がする?
若干だけどあっちのほうが王の所持率が多い。
その差をどう埋めるかは私の戦い次第だよなぁ。あとニルたちか。
「わかったよ。なら引き受けます」
仕方なく引き受けることにした。
陣営に立ち、マシュマロたちを呼ぶ。
「さて、相手の王について指示を出す」
王には王を。
相手は五人。こちらは私を入れて四人。私が二人相手する。
「まず、マシュマロはミソギを相手してほしい。機械なら状態異常にはかからないだろうし」
「はい!」
「ニルは……頑張ってガガトツ」
「わかりました」
「マグダッドはプギーかトロフィかロトのどれか選んで」
「んー、トロフィで」
「おっけい」
私がロトとプギーの相手か。
まぁ、マシュマロとニルは考えての相手だ。マシュマロは説明した通り。ニルは高攻撃力には高耐久を。なんとか持久戦に持ちこたえてほしいという願いだ。
私は未だにニルたちの実力のすべてを知るわけじゃない。
だから、勝てるかどうかもわからない。ただ託すだけ。勝利には全力を。相手もなめてかかるほどではないだろうし、本気で行かなくちゃな。
で、総大将はNPCも命令して動かすことができるとか。
ただ、NPCを殺しすぎるのもよくはないし、投入しないのもよくはない。彼らも彼らで志願してるらしいしね。
だから、安全に、尚且つ勝利を。
難しいお題だ。私にできるのだろうか。
「ま、そんな気張らない気張らない。楽に行こうよ」
「そ、そうだよ! ボクたちもいるから!」
エルルゥとルルークが励ましてくれた。
……ま、プレッシャー感じても仕方ないか。やれるだけのことをやればいい。
よし、頑張るかー。