vsルシフェル ②
さて、ここまで傍観者だったわけなんだけど。チリン達はどうするんだろう。
「重力ってきついでしょ?」
余裕を見せているが満腹度は減っていることだろう。
少し苦笑いみたいになっている。
「なんのっ! このぐらいの重力ぅぅぅ!」
チリンが剣を地面に突き立てそれを軸に立ったのだった。自分の体重が十倍……。つまり今のチリンは五百近くの体重がある。
それで立つのは驚きだ。
足が震えているけどね。
「これ現実だったら筋肉痛間違いなしだね……」
「頑張れ。チリン」
「……応援してないで……。てかなんで平気なの……」
そりゃ、受けてないもの。
「それはいいとして。重力は厄介だね。対策法を考えないと」
チリンが突き刺した剣を抜く。
突っ立ってるので精一杯なんだろう。ものすごく足がぷるぷるしている。
「とりあえず、”アースショック”」
斬撃が飛んでいく。
ルシフェルは不意だったためにスキを突かれ斬撃に当たる。
「軽くなった!」
どうやら重力がかからなくなったらしい。
それを好機とみてチリンは大剣をもち急いでルシフェルの元に向かう。ルシファーも向かっているのだった。
気を取り直したルシフェルは「ぐ」と唱えたところでもう一度の斬撃が飛んでくる。
躱しながらは流石に無理らしい。
「”天罰”」
ルシファーの手から放たれたのは雷。
その雷がルシフェルに直撃し、焼け焦がれていた。
《堕天使ルシフェルの討伐を完了いたしました》
チリン達で倒せたらしい。
重力が厄介な敵だったけれどチリンの根性でなんとかしたって感じだろうか。それにしてもよくチリンは踏ん張ったな……。
まあ、これはいいとして。報酬の時間だ。
これは私はわかっている。だって置いたし。
「さて、大剣でももらいにいくか」
ルシフェルの大剣を宝箱に入れておいた。
大剣なのかは適当に決めただけだし何とも言えないけれど。だけどまぁ、無事終わって何より。私が作ったとばれていないな。
「さて、いくか」
「待って」
チリンに手を掴まれる。
「大剣? 箱の中身わかるの?」
「えっ」
……しくじったー!
どうしよう。どう言い訳する?
「か、勘かな!」
「ふぅん。でも、本当に大剣だけど」
「ぐ、偶然ってすごいね! ほんとほんと!」
偶然もたまにはあるさ!
気を取り直して宝箱を覗く。大剣が人数分は言っているけれど私は使うわけじゃないしだれかにでもあげようかな。
だけどうちのギルメンに大剣使うのってチリンぐらいだから他のギルドにあげるのもいいかもしれない。
まぁ。それはおいおい考えようか。
「さて、でようか。ここから」
私たちはダンジョンを踏破した。(私の)
自分のダンジョンを自分で踏破するとかマッチポンプ過ぎる。