A2O運営側:課長の場合
それは突然伝えられた。
「課長! 大変です! ミキが、ミキがまたやらかしました!」
突如入った悲報。
ミキが、やらかしたということ。いつものことだからそれほど驚くこともなくなった。いや、もうミキだから仕方ないよねって見守ることにしたんだけどね……。
で、今回は何をやらかしたんですかね。ルシファーでも仲間にしたんだろ。神だし。でもまぁ、ルシファーだけならまだ……。それでも結構な痛手だけどな。
と、甘い考えもありました。
「は?」
目の前の光景を見て、俺は、そうこぼしていた。
ミキが映し出されているのだが、その横にルシファー。まあ、想像通りといえるだろう。そして、また横にベルゼブブ。
……えっ。
「なんで大罪二人も仲間にしてんだァ!? おかしいだろ! いくら会うといえどそう簡単に加入条件を満たすものか! 強力な分無駄に難しくしてるんだぞ! ベルゼブブなんか手料理で自己採点で90点以上のモノをださなければ仲間にならないって設定を……!」
「案外上手いみたいです、料理……」
「そこまで知らねえよ……」
うう、これでまた部長にどやされるんだよ。俺が。
やべえよ。ミキのせいで俺の胃がやべえよ。ストレスがマッハでもうぶっ倒れそうだ。ていうかぶっ倒れていいか?
倒れそうになる身をなんとか抑え、これからのことを考えてみる。
ミキはもう相当やばい部類のプレイヤーだ。俺らをわざと困らせてるのか単に運が良すぎるだけなのか……。後者だとは思うんだが……。
本格的にミキ対策をしなければ俺の胃がもたないぞ……!
「どうします? ミキだけ異様に力を付けてるんですが……」
「そうだよなぁ。ゲームバランス辺りを考えるとそうなんだが……。このまま一気にインフレさせていくのもダメなんだが……。
……もう、放置でよくないか? それか、もういっそのことミキをこっち側に引き入れるか」
「……プレイヤーを運営側に誘うんですか? 前代未聞ですよ?」
「……だよな。だが、このまま暴れられても困るからなぁ……」
悩むんだ。一般の人を運営に引き入れたらとか、いろいろ体裁というものがあるしな。
難しい。そもそも、ミキを引き入れるにしてもいろいろと厄介事があるし、この案の実現はほぼほぼ不可能だな……。
「まぁ、引き入れるのは普通に考えてダメなんだが……。どうしようか……」
俺もこのゲームを作ったときはここまで考えさせられるとは思ってなかったよ。
今日も妻に頼んで胃に優しいものを作ってもらおうか……。もう、胃が限界なんだ。本格的にやばいんだ。
「とりあえず露骨に対策するというわけにも不満を買うからなぁ。ミキだって一顧客。ミキだけ対策するっていうわけにもいかんし……」
プレイしている人はみなわが社の顧客だからなぁ。不満を買ってゲームをやめるってなったら困るからほどほどが一番いいんだが……。
なんでこんな悩むんだよ俺は……!
「……ま、考えといてくれ。俺はたばこ吸ってくる……」
現実逃避に縋ることにした。
停電で昨日は投稿できずすいませんでした。
無事作者のところは電気がついたので投稿再開します。
でもやばいっす…。また地鳴りがしてるらしくもう一回大きい地震が来るかもということでまた停電になる…?どうだろう…
寝ぼけて役職を逆に書いてたという言い訳をします。すいませんでした。