慈愛の天使ラファエル ③
「ルシファーさんがいなくなった後天界の改革は進んでいったんですよ」
ラファエルさんが語ったのは天界のこと。
天界という一つの国で起こった出来事。ラファエルさんは環境大臣みたいな役職についていて、ミカエルさんは天界の兵士を纏める兵士長をして、ガブリエルさんは神からの指令などを届け、ウリエルさんは……なんだっけ。
まぁ、結構えらいとこについていたらしい。
ルシファーさんは神の補佐。すなわち天使の中では一番偉い役職らしい。
「絶対的な権力を所持したルシファーさんが消えて天界はやりたい放題でした。新たに神の補佐に任命された天使が独断専行の繰り返し。神の怒りを買いました」
だけれどすぐさまクビにし、違う人をあてたらしい。が、その人も失敗で神は天使をほとんど見限った。神に見放されたん天使は仕事を失い、荒れたらしい。
で、ルシファーを追い込んだのは大臣みたいな感じの人。
その人が天使に責め立てられ、ルシファーを堕としてさえいなければ……などというデモ活動? って感じのことが起きたらしい。
で、その責められた大臣も自ら堕天。悪魔となったらしい。
ルシファーも分類上悪魔というらしいけど、天使としての心構えはある。天使であることを誇りに思っているかのように。
「そのククールという天使がラファエル戻ってこんかとかうるさいんですよ! だからもういいましたね! 私は貴方のとこには戻んないよーべーって舌を出して突っぱねてやりました! もう考えただけでムカつく! いくら私が怒らないって言っても怒りますよね!」
と、どこからか出した柿の種をぽりぽり齧りながら怒っていた。
「本当は、私も天界に帰りたかったんですよねぇ……。ルシファーさんたちが治めている国はとても平和で神からも愛されてたのに……。一人の天使の失態のせいでこうなるんですから、嫌ですよね」
「……そうだな」
「ルシファーさんは帰りたくないんですか? 私たちがいたころの天界に」
「……今更昔のことを後悔しても過去は変わらない。帰りたいなどという言葉は無意味だ」
「そうなんですけどねぇ……」
「私が治めていてもいずれは暴動が起きていただろうさ。私は優秀だからな」
そういうルシファーの眼はどこか悲しげだった。
「おっ」
「解けた」
その瞬間、ソゥとマーヤの動物化も解けたのだった。
そして二人に押し倒される形でエルルゥとルルークが……。おっふ……。エルルゥ。そこ代わってちょうだい。百万円あげるからさ!
羨ましいなぁ……!
「……なんかミキ様? ものすごく私の話聞いてないような感じがするんだけど……」
「聞いている。気にするな」
ルシファーさんの言う通りです。聞いてましたよ。
シリアスな雰囲気だろうが羨ましいことがあったらそっちに目が行くミキちゃん。
明日の投稿は十中八九ないです……。