慈愛の天使ラファエル ②
目の前にいる男性プレイヤーは先ほどラファエルさんという天使からルシファーがどこにいるか聞いてきたらしい。知らないと答えるとすぐに消えていったのだとか。
呼ぶことはできないのだろうか? と思ったのでダメもとでやってみた。
「ラファエルさんラファエルさん。どうかお姿を現し下さい」
こっくりさんみたいでなんかやだな……。
だがしかし、効果はあったみたいだね……。
「はい。呼びましたでしょうか?」
目の前に突然現れた胸の比較的小さい天使。もう一度言う。胸の比較的小さい天使が現れた。……この人がラファエルさんだろうか。
いや、でもルシファー然り、天使は胸が大きいんじゃないか? 胸が小さいとか……本当に天使?
「る、ルシファーさん連れてきました!」
「本当ですか? 一体どこに……」
「どこに目をつけている」
ルシファーがラファエルさんと思わしき人に近寄り、頭を掴んでいた。
「いひゃいですルシファーさん!」
「お前……変わってないな」
「天使はそんな短期間で変われませんよぅ……」
呆れた顔でルシファーはラファエルさんを下ろした。頭を押さえて涙目のラファエルさんはちょっと可愛かった。
「それで? お前、私に何の用だ?」
「え? い、いやー、ルシファーさん元気かなぁって。それだけです」
「そんなどうでもいいことのために私を探していたのか?」
「どうでもよくないですよ! ルシファーさんが抜けた天界はひどかったんですからね! 私も嫌気が挿して逃げ出してきちゃいましたもん!」
とぷんすか怒っている。
どかっと地面に座り、このままいくと愚痴を聞かされそうなので逃げることにした。とりあえず飛行で……。
逃げようとすると、足を掴まれる。
「私の愚痴を聞いてくださいよもう!」
「……ラファエル。神に手を加えるとは……!」
「神……? ……えっ。もしかしてこの人神様なの!? す、すいません! 無礼を働きました! る、ルシファーさんも剣をしまって……」
「怒ってないからいいよ……」
とりあえずルシファーは私に危害を加えられてもちょっとは我慢しようね?
まぁ、どちらにせよ聞かないとなんかやられそうだし、もしかしたらなんだけどなんか大切? というか、貴重なことがわかるかもしれない。
私は地面に腰を下ろす。
「じゃ、じゃあ俺はこの辺で……」
「パトラさんも一緒に聞きましょう?(訳:逃げないで)」
「……はい(無言の圧力を感じ取った)」
なんだか怯えてるけど何に怯えてるんだろうね? 私にはわからないや。
さてと。聞きましょうかね。
①がループしてました、直しました。