堕ちた天使ルシファー ②
私は現在精霊の創造神だ。まぁ、神様に分類されるのはいいだろう。
けどさ、なんでエルルゥたちにも神格化されてるんだろう。
「ミキ様のためならば、このルシファーが剣となり盾となります」
ルシファーも天使。だけど堕天使でしょ?
「堕天使なのになんで神様に仕えようと……」
「堕ちても天使だからでございます」
意味わかんないな……。
「じゃあなんで堕天したの?」
「天界があまりにも腐っていました。優秀すぎた私を追い出そうと躍起になり蹴落とされたのです。その時にミカエルたちは擁護してくれたのですが……! くっ、思い出しただけでも憎くなってきた……!」
なるほど。優秀すぎるが故に追い出されたという感じか。
自ら堕天したのは天界を見限ったから。だけれど神様に仕えるのと天界にいるのは関係ないということかな?
多分天界からいなくなったら堕天使と呼ばれるのかもしれないな。
「なるほどねー」
「ですがもうよくなりました。貴方のような神に出会えたことこそ私の幸福」
なんだか落としに来てる?
……一応言っておくけどルシファーは女性だからね? 因果の如く胸はでかいけど。
「そ、そう。でも私に仕えるからには命令は守ってもらうからね」
「なんなりと」
「聞き分けいいね……。こほん。じゃ、じゃあまずは無暗に人間を襲わないこと。殺すなんて論外」
「わかりました」
「まぁ、今はこれかな。あとはおいおい」
というわけで、気を取り直していきましょうか。
傲慢のルシファーを仲間に引き入れた後、私たちは目の前で襲われている人たちを見つける。
男二人、女二人のパーティ。だけれども誰かと戦って死んだりしている。蘇生役があの子か……。
「ほう。人間が戦闘ですか」
「珍しいの?」
「そりゃあ……。私が眠らされる前は人間は戦わず悪魔と手を組んでおりましたねぇ」
時代は進歩しているってわけか。
「戦っているのは……。お? 運がいいですねぇ。私と同じですよ」
といって私は戦っている相手の顔を見てみる。
ぴんとくるものもないけど、私と同じっていうことはもしかしなくてもあれだ。大罪の権化。この人たちと大罪の権化の一人が戦闘を繰り広げている。
「あれは嫉妬。非常にやきもち焼くやつですねぇ」
「た、助けないと!」
「神のお望みとあらば」
私とルシファーは駆け出していく。
魔法を放った。嫉妬の悪魔はこちらに気づき避けようと後ろにバックステップで避けるけど、その先には。
「抜かったなレヴィアタン。背後に気を付けなくてはな」
「てんめぇ……!」
「これが我が神の望みだ。悪く思うな」
一撃で沈んでいった。
……強いな。