キツネこんこん ②
街をキツネ姿で歩く。
「かわいー!」
「どこからきたの?」
女性プレイヤーに囲まれています。
私の頭を撫でている。ものすごく笑顔で……。
……。
この目線だと見上げることになるんだよね。でもさ、でもさ……。そうするとちょっと目にしたくないものも見えちゃうんだよ。
……おっぱい。
この人たち他の人よりも比較的おっぱいがある。
……なんで私が出会う人はほぼ巨乳なんだ……! 私にも寄越せ……!
私なんか小山じゃなく無、だよ? ないんだよ? 喧嘩売ってんの?
「なんかこの子目が怖いんだけど……」
「ものすごくおっぱい見てる…。エロ助さんだなぁ」
違う! エロい目では見ていない! 憎いっ……! 胸がでかいのがとてつもなく憎い……!
「抱っこしよっ」
と、持ち上げられ背中に柔らかい感触が。
くっそう。敗北した気分だ……。もう、怒る気力もないよ……。私だってほしいのに……。神様、私の運あげるんでおっぱいください。……え? ダメ?
「あれ、この子プレイヤーだ」
「え? キツネになるプレイヤー? 男の子かな……。男の子だったら超恥ずかしいんだけど……」
「名前あるよ。ミキ……。この子っ……! 精霊王だよ!」
「ミキさん!? すごい! ミキさんにこういう形で出会うなんて……! これは何のイベントですか?」
これは邪神ちゃんが勝手にやった魔法のイベントだよ。
「「「やーんっ、可愛いー!」」」
さっきの女性プレイヤーから解放され、また街をぶらつく。
今度はソゥ様と出会った。ソゥ様はこちらをじーっと見つめる。そして私を抱っこした。
「……よしよし」
……なんだこのご褒美。
ソゥ様からよしよしされた! キツネ最高! 私キツネになってよかったよ……! ありがとう邪神ちゃん! ソゥ様からよしよし!
「お腹空いてるのかなー?」
お腹いっぱいです……! ソゥ様! そんな笑顔! まぶしいですぅ! きゃー!
と、ソゥ様の手が私の喉元に伸びてくる。
「わっ、もふもふ」
はいもふもふですよ!
「ここかなー? ここが気持ちいのかなー?」
そこはっ……! あんっ……! らめぇ! らめなのぉぉぉ!
もう死んでもいいよ……! 幸せ……! ソゥ様とこんな……。私死ぬのかな……。こんな幸福をもらえるなんて……。ぐふっ。
「ふふふ、ミキちゃんともこう撫であいたいけど……。ミキちゃんは嫌がるよね」
嫌がらないですよ! むしろウェルカムです!
「このキツネミキちゃんだったりしてねー……。ミキちゃんならあり得そうだよ。鑑定してみようかな……」
そして、鑑定した結果を見たのか驚いていた。
「本当にミキちゃんだった……」
「は、はい。黙っててすいません……」
「い、いいの! で、でも忘れてね? あの顔とか……」
「可愛かったですよ!」
「うううう!」
スマブラ出るまで星のカービィでもやってるか。