殿中でござる ②
ちっ。
二人でボス戦にきたはいいものの目の前のボスは厄介だ。即死耐性をもっている。辻斬りとこいつはグルで将軍暗殺をもくろんでいる。
厄介なことをする。
「マーヤ光り輝いてるぅ~」
「いいから攻撃」
普通のナイフで切りまくるのはいいんだけどさすがに致命傷を与えられないのは辛い。いつもはワンキルで終わってたんだけど。
首を狙うと首を防御し狙われないようにするのは厄介だ。
「死ね!」
「やだよ」
ボスである忍者。
手裏剣を放ってきた。それをナイフではじき、こんどは心臓を狙う。
がきぃぃんという固い音がした。
「危ないでゴザルな。これ着といて正解」
鎖帷子……!
ナイフじゃ歯が立たない。心臓は無理だ。だとすると狙うのは首だけとなる。だがしかし、首を狙うと執拗に首を守ってくる。
私封じ……?
「お前たち二人で拙者に敵うわけがないでござろうて。将軍の前にお前たちを殺す!」
刀を取り出し、ハルカを斬りつけた。
「うわっ……」
「ちっ。一発とはいかなかったか」
だがハルカは瀕死だ。
回復してやりたいけど次の標的は私に切り替えたらしい。動揺しているときにすぱっと切られてしまった。
だが、ダメージはない。あるけど微々たるものだ。
「まるで体が鉄の……!」
「黄金化……。こりゃいいね」
私は相手が動揺している隙をつき首をかっきった。
相手の体力が著しく減る。半分を切ったところで忍者が震えだした。
「不覚……! この拙者が追い込まれるなぞ……! 許してなるものか! 忍法、分身の術」
と、目の前の忍者が五人に分裂した。
……厄介だ。私一人でどうにかできるわけじゃないだろ。ミキたちに救援は送ったけどいつくるかわからない。とりあえず、私だけでも善戦はできるよう努力でもしようか。
※ミキ視点
さっき、エリアボスと対決している、助けてとマーヤからのメッセージが届いた。
神域を使い、第五層エリアにスキップ。第五層エリアに到着すると街が異様に静かだった。誰もかれもが家に閉じこもっている。時折窓を開けては城を確認していた。
窓を開けた人に尋ねてみる。
「最近辻斬りが横行していてな。将軍暗殺メッセージも届いた。今日が決行日らしい」
城か。
将軍暗殺。なるほど。エリアボスがその暗殺者ね。
「今代の将軍は名君だ。殺されないよう願うばかりだ」
「そうですか。わかりました」
なら殺されないようにすればいい。
私はローラースケートを装備し急いで向かっていった。検証してわかったんだけどローラースケートを履くと移動速度が段違い。飛行するより早いから。
並べるとローラースケート→飛行→走るかな。
そして到着。
中に入り、天守閣を目指す。すると、マーヤたちを発見。ハルカと思われる人が倒れており、マーヤは忍者の分身に囲まれていた。
もうそろ第六層だなー。どういうエリアにしよっかなー。