殿中でござる ①
一人、第五層エリアで駆け回るものがいた。
「遅い」
マーヤだった。
黄金化を使い黄金になって防御力を上げ、そのまま突貫していく。低いステータスだったが黄金化のおかげで人並みには防御力はあるようになった。
マーヤがなぜ第五層エリアにいるか。それは、ハルカに誘われたからだった。
「ゲーム楽しいねー」
ほんわかとした彼女。
マーヤはそれを見て微笑む。
「ミユキもくればよかったのに」
「あいつはいらない」
ばっさりと切り捨てる。
「これで私が受けたクエストクリアかなー」
ハルカはクエストを受けていた。
その名も”辻斬りを見つけろ”というものだった。その辻斬りをマーヤが殺し、事なきを得た。少しだけ喋れるみたいだったから話を聞く。すると、驚くことを言った。
「へへ、俺は囮だぜ……。本当の敵はあの城の中にいるんだからぁな……!」
そこで辻斬りは死んでしまった。
《キークエスト:辻斬り討伐 を達成しました》
《ワールドクエスト:殿中でござる を開始いたします》
そんな不意のアナウンス。
ハルカたちは急いでお城に向かう。兵士がその場で倒れていた。どうやらすでに中に入られているらしい。しかも、強敵だ。
「……二人、か」
「勝てるかなー?」
勝てるかどうかは微妙な線だ。
ボスは即死耐性がほぼついている。フィールドボスならば話は別なのだがエリアボスとなると即死は効かず手数で勝負することになるからだ。
マーヤは悩みながらも突入するのだった。
階段を駆け上がり、城の中を探す。
天守閣にその男はいた。筋骨隆々で、刀を二本……いわゆる二刀流。将軍に詰め寄っているのだった。マーヤは急いで駆け寄り暗殺者の首を掻っ切ろうとするもそれに気づかれいなされてしまう。
マーヤは投げられた。
「えいっ!」
ハルカは剣で攻撃していた。
ただしステータスがステータス。あまり相手にダメージを与えられてないようだった。この二人じゃ火力不足だとマーヤが思い始めてくる。
だがしかし、このクエストは多分将軍を殺されちゃいけない。護りながら倒さなくてはならないんあじゃないか?
余計難易度が上がってため息をつくマーヤだった。
短いですがボス戦はいりまーす。