ミキちゃん達のお店経営記 ③
掲示板をふと見てみるとさっきの男が書き込んだのか神の御心という店の害悪差を語っていた。
値段は高いわ性能は低いわ。そんな適当なことを書かれていて掲示板を見てる人も疑っていた。で、今から向かうとだけ言っていた。
で、多分あの人だ。
「ほうほう。店は広いな」
だってめっちゃくちゃ通っぽいし。
「性能が悪い、ぼったくりだ……。ふむ、嘘だな。性能はものすごくいい。逆に安すぎるだろ。現実なら原価割れしそうだがゲームだからな。精霊王のギルドは有名だし依頼もたくさん来て金には困ってなさそうだ」
いや、めちゃくちゃ困ってます。
借金に無一文です。
「あの名無しはウソつきだろ。初心者かガキか。よくもまぁ性能も見ないで書くものだ。見たとしても見る目はねえな」
男は呟きながら書いている。
覗いてみると実際に行ってみたがものすごくいいとこだ。というか、ぼったくり以前に取らなすぎ。本当に神の心もってるわって書かれている。
褒められてうれしいなぁ。
さっきの人はちょっと嫌だったけどね。
「……でも、本当にすげえ。この大剣なんか攻撃力+20ついて尚且つダメージ軽減。スーパーアーマーにもなれる。バカでしょこれ」
と、大剣を一つ手に取りレジに持っていく。
3万くらいのものなのだが男は6万わたしてきた。倍の額はさすがにもらえないなぁ。
「商品は3万になりますが」
「いやいやいや、この性能で3万はないって! 俺騎士職だから喉から手が出るほどこの剣がほしいんだ」
「ですが三万は三万ですので。もらえません」
「ぐっ……」
私たちは攻防戦を繰り広げ最終的に受け取らなかった。
次に見たのは錬金術エリア。
ソゥがフードをかぶり薬を作っている。効果も普通のポーションよりは高い。ハイポーションがよく売れていた。
「300円になります。はい、10本……。3000円となります」
丁寧な接客をしていて特に問題はなさそうだ。
カティさんは弟子に任せて自分は家具とかいろいろと作っていた。ロッキンチェア、ハンモックなど。そして、精霊樹の造形なども売られていた。
よく作ったな……。
それにしてもカティさんの作業姿初めて見た気がする。
「すいませーん。この弓なんですが」
「はいはーい?」
「耐久度が減ってしまって。直せますか?」
と、直しの依頼が来ていた。
そういうのは受け付けてないんだけどできるんなら受け付けようかな。様々な分野に手を出すのはあれだけど適している人たちが多いからね。
カティさんは弓を眺めている。
「うん、素材はある。できるわ」
「ほんとですか!? ありがとうございます!」
「今すぐやるから待っててちょうだい。暇ならローイのところかミキのところにいくといいわ」
私暇の受け口なんですかね。
「…………あっ!」
ふと店を眺めていて思った。安すぎる…?
いや思ったんだけど安すぎるのもダメだ。これだと他の店に影響を与えてしまうか。いくらこれでもトップがこんなんだとダメだ。
むしろトップって言うくらいだからブランド的価値をつけてもう少し値段が高くてもいい。むしろ、自分へのご褒美って感じにする感じがいいのかも。
「ローイさん、カティさん。ちょっと来てください」
ローイさんとカティさんを呼び出しその説明をするとすっかり忘れてたようで。値段設定に頭を悩ませていた。
結果、安かったのは開店セールということになり、次回からはちょっと高くなるよと告げる。
開店セールだからね、仕方ないね。