月下の元で王は喚いて①
狩人も結構楽しめたと思う。
だけど、慣れしたしんだ自分ではないからか、やりづらく感じた。やっぱり精霊王のほうが慣れている。私は家に戻るとすぐにログインしたのだった。
ちなみに、いまだにゴブリンキングは討伐できていないらしい。
掲示板を眺めると「むっず! ゴブリンのくせに!」という言葉であふれかえっていた。それほど難しいのだろうか、ぜひとも私もやってみたいと思う。
そこで、手伝いを呼びました。
「おーい。エルルゥにルルーク! プギー!」
エルルゥルルークと性別反対コンビに妖精王。
ガガトツさんたちも呼ぼうかと思ったのだけれど、それぞれのギルドで討伐しようとしているらしい。基本的に限定種族がリーダーのギルドは攻略組と呼ばれていて、攻略を主にしているのだとか。
だから、プギーしか呼べなかったけど、妖精王もすごいと思うし、このパーティで……。
「あ、チリン」
そうだ。チリンを忘れてた。
「ごめん! 待った?」
「ううん。忘れてたから待ってない」
「ひどっ!?」
チリンは抗議してくるのをしり目にプギーさんたちを呼ぶ。
「チリン。紹介するよ。フレンドのエルルゥにルルークにプギー」
「どうも。エルルゥです」
イケメン王子様系女子のエルルゥさんは右手を差し出した。
「あ、チリンです。よろしく」
「ぼ、ボクはルルーク。狩人をやってるんだ」
「私は騎士だ。盾にしてくれても構わないぞ」
「あ、私は戦士やってます」
「私はプギー! 知ってるかなー? 私ね、実は」
「妖精王さんでしょう? 噂はかねがねと」
「……うん、そうだよ」
プギーはちょっと落ち込んでいた。驚かせたかったみたいだ。空気の読まないチリンさんだな。
「このメンバーで討伐しに行くのかい? 正直、回復役がいないのが心もとないが、大丈夫か?」
と、エルルゥさんが心配の声を漏らす。
だが、その心配は無用だ。なんてったって、プギーがいる。プギーのスキルを確認させてもらったからわかるけど、このメンバーならプギーが回復役。というか、妖精王って回復特化です。戦場を駆け回る回復役。避けタンクとしても活躍出来て回復もできます。すごい。
だから、心配はない。と、思う。
ゴブリンキングが待ち受ける街道を歩いていく。
ゴブリンキングというだけあってゴブリンよりは果てしないほどに強いのだろう。私たちにとっては未知数の敵だ。用心しないといけない。
相手の出方をよく調べて、負けるにしても次につながるようにしないといけないのだ。
「ギャオォォォ!」
と、咆哮が聞こえる。ゴブリンキングは、その先だ。
私たちは、武器を構えつつ、ゆっくりと歩いていく。
月下の街道の元、私たちがみたのはゴブリンと、そのゴブリンを束ねているであろうボス――ゴブリンキングの、集会であった。
ゴブリンキングとの戦闘がああああ! はじまるううううう!
いっておきますが自称ではないですよ? ゴブリンキングはゴブリンの王様です。決して自称王様とか自称大王ではなく……。