雪降る場所の精霊 ①
私たちのギルドに帰ってきてまずしたことはというと。
「な、何この素材たち……。え? し、知らないものばかりじゃない!」
「な、なななな……」
カティさんとローイさんに素材を渡すことだった。
渡してみるとものすごく驚いていて、凝視している。
「……これならミキちゃんの武器進化出来るわ!」
「この水晶があれば剣をいくら進化できる……? 進化素材だぞこれ……」
どうやらすごいことに本当は進化するのにも素材を使うらしいのだが、この水晶を使うと一発で進化出来るらしい。素材として破格すぎる。
これがもし出回ったとなると……怖いな。
「じゃんじゃん取ってきたんでどうぞ」
「……ホント貴方たちどこいってたの!? うわぁ……。もうあなたたちの武器防具進化祭りよ!」
さて、まあ、それは任せるとして。
私にはもう一つ気になっている場所がある。そこにいってみようか。
確か依然ここらへんで……。
私はウサギの国に入るところを探していた。
ウサギの国から通じるあの吹雪が吹き荒れているところ。もしかしたらなんだけど、あそこもマル秘場所じゃないかな。
地図に載ってないし……。
「見つからない」
何か条件があるのか? ウサギが近くにいるだとか、ウサギ……。
「ウサギ化!」
もしかして入るためにはウサギ化というスキルが必要なんじゃないか?
試しに使ってみることにした。ウサギ化と唱えると穴が出現する。なるほど、使い道がないと思ってたけどここで使うのか……。
中に入る。
そして、ウサギの王様に話をつけてきてまた向かうことになった。今度は案内なしでと言われたので案内なしで向かう。
案外早くつくものだ。
吹雪いているところ、到着しました。
ウサギ化を解き、捜索してみることにした。
「……寒い!」
このゲーム、寒さがある……。
防寒対策まるでしてない! ゲームだからって舐めてた! コートとか買うべきだったかな……。はっくしょい!
「うう、凍え死ぬ前に探索だ……」
こんな時にも探索を忘れない探索者の鑑です。
ほら、新発見。雪の下に埋もれていたのはダイヤモンドダスト。細長いダイヤモンドの塊だ。ただ純度がものすごく、まるでないように思えるほど透明。
純度がほんとすごいな……。
雪を掘ると本当に素材が見つかる見つかる。
食材も取れた。
越冬キャベツに越冬レタス。越冬パプリカに越冬ピーマン。どれも似ているものばかりなのはなんでだろう……?
生のまま食べても美味しかった。特にキャベツは甘い。凝固点降下とかなんちゃらだろうか。うまい。
キャベツをポリポリ食べている。
すると、雪の中からひょっこり、子どもが現れた。
「そーぞーしんさま!」
鑑定してみると、雪の精だった……。