人魚の国 ②
人魚の王フラットルさんとアラビアさんに傅かれた。
私は何もしてないのにな……。
「とりあえず頭を上げてよ。私は創造神ってだけでそれほど偉くはないよ」
「いえいえ! 精霊の生みの親でもある貴方様には我々は逆らえませぬ。ははー……」
殿様か私は。
それにしても、精霊王という立場はすごいものだな、と改めて実感させられる。精霊が多いもんな。そりゃ立場よくなるわけだわ。
「もういいから。さ、私は観光するよ。スピク! またね!」
「えっ、もういくのぉ!? まだ話そうよ~!」
それは嫌だ!
私は全速力で泳いでいった。
人魚の国にもショップがあった。
人魚の服、人魚になれる服などがある。試しに人魚になれる服を買って着てみると足が魚のヒレのようになって人魚になれた。
エルルゥも買って装備した。人魚のイケメン……。
「人魚……。こりゃいいね」
エルルゥは満足しているようだしいいか。
まぁ、私も海の中ではこれが移動速度早くなるから装備してるけど。今の装備はドレスだから上下が合わさっているわけで服も購入したけどね……。じゃないと装備なしになるし。
「それにしても人魚の国……。すごいな」
「そうだね。結構すごい発見だよね」
この国では特になにもなさそうだしゆっくりと観光できるだろう。
観光していると町の郊外についた。
戻ろうとしていると、なにやら採取ポイントが見える。少しだけ光っているのがわかった。そこで採取をしてみると”碧の水晶”という新素材がでてきたのだった。
……うん?
これ、図鑑に載ってない……?
「エルルゥ! 図鑑に載ってない素材発見した!」
「ほんと?」
「ほら!」
碧の水晶を見せる。
海の青と同化して見えない……。
「ほんとだ。図鑑にもない。新発見だ」
「バグかな」
「いや、なさそうだね。地図見てみるとここも地図に載ってないからもしかしたら……マル秘のところかも」
「マル秘!?」
「理想郷……ではないけどマル秘の場所もあるよーってあらかじめ運営が言ってたんだよ。ここがマル秘のところかも」
なるほど。マル秘だから新素材もあるということか。
なら、ぼちぼち……。
……あれ? そういえば、前どこかで知らないところに出たクエストがあったはず。ウサギの国……。も、もしかして、あの雪の国も、マル秘の場所!?
そこに行くにはウサギの国を抜ける必要があり、ウサギ化が必要となると……。
「……結構やらかしてる!?」
新素材の発見、マル秘場所二か所発見。これだけでも相当痛いだろうに。
「ミキ……。私たちもしかしてすごいところに……」
「う、うん。来ちゃった……みたい、だね」
運営のマル秘場所
それはどのエリアにも必ず存在する……というわけじゃない。ランダムで出没するもの。ただしなにかしら外的要因がある場合は別となる。
外的要因となるもの:マル秘の場所に住む者たちとの接触に成功した場合
マル秘の場所は新素材の宝庫です。新素材がなければ強化できないものもあります。