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Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第五層エリア 【気高き武士は今日も行く】
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変なものしか釣れません

 イベントが終わり、A2Oにも雪が降ってきた。雪が積もっており、新たなモンスターも登場している。雪ウサギっていうウサギと雪だるま、狂った雪の精などなど。

 季節も冬だもんなぁ。


 「つれないなぁ」


 私はゲーム内で釣りをしていた。

 カティさんが釣竿を持ってきたので娯楽として釣ろうということで私と釣りが趣味だというエルルゥとで釣りに出かけている。

 ゲーム内で釣りかぁ。餌とかつけない分簡単だって言ってたなぁ。エルルゥ。


 「釣りは忍耐。待てば海路の日和あり……ってね」


 笑顔のエルルゥ。

 いや、ゲーム内でもちょっと寒いよこれ。


 「おっ、なんかひっかかった」


 エルルゥが竿を振り上げた。

 先についていたのはたい焼きだった。


 ぴちぴちと動いている。


 「…………」

 「「たい焼き釣れた!?」」


 たい焼きって泳げたの!? およげたいやきくん!?

 エルルゥが持って試しにかじっている。


 「……どう?」

 「クリームが中に入ってる……」

 「クリームたい焼き!」


 たい焼きじゃんか!

 鉄板だろお前がいるところ! なんで海なんだよ!?


 「……ファンタジーだからっていう理由で納得できるかな」

 「できないよ……。不思議な形をした魚ならともかくたい焼きじゃん。食べ物じゃん。美味しいじゃん……」


 と、私の竿も引いていた。

 私は釣りあげてみる。


 なんか弁当とかについてる醤油が入ってる魚のアレが釣れた。


 「見たことあるゥー! なんかこれみたことあるゥー!」


 なんでこんなものも釣れるの!? 魚の形してるけど全部魚じゃないものしか釣れてないじゃん! 私のに関しては食べれすらしないし! 

 魚釣りたいんだけども……。


 「……変なものしか釣れないね」

 「……釣りなのかこれ。まぁいいさ。まだ釣っていれば何かしら釣れるでしょ」


 エルルゥは楽観視しているが、この後、とんでもないことに巻き込まれてしまうことになるとは思いもよらなかった。

 ……こういうナレーションってよくあるよね。


 まぁ、何もないとは思うけど……。


 これってフラグ?


 「えーい!」


 私は糸を遠くまで飛ばした。

 ひゅるひゅると飛んでいく釣り糸。ぽちゃんと水面に落下し沈んでいく。そして、私はカティさんに作ってもらった簡易椅子に座り、じーっと待つことにした。

 戦う以外にも釣りや農業、漁業できるっていいね。


 今度は農家に挑戦してみるかな。


 「畑やろうかな……」

 「やるのかい? それならルルークを誘いなよ。ルルークは家庭菜園が趣味だし喜ぶよ」

 「うん。そうさせてもらうよ」


 何も戦闘だけじゃないんだ。

 急ぎすぎてたけど、次は農家やろうかな……。


 と、釣り糸がものすごく引いていた。


 「大物!」

 「手を貸すよ!」


 エルルゥと一緒に引っ張り上げる。

 すると……。


 「なんなのよー! もー!」


 上半身は人間、下半身は魚の……いわゆる人魚が釣れました。














あの弁当のアレって名前なんて言うんですかね。

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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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