理想郷を目指す神と傭兵 ②
第五層エリアで理想郷を探すということになったはいいんだけど。
手がかりがなあ。闇雲に探すっていうのもあれだし。
「理想郷は運も絡むからそんな簡単に見つかるわけないんだよね」
そうつぶやきながら森を探してみる。
ここは海と隣接していないために海はないからすべて森とかにあるんだろう。プレイヤーもたくさんいるんだよね。理想郷目当てだろうか。
「あ、あの、ミキさん!」
「ん?」
歩いていると女子の二人組に話しかけられた。
見た目は中学生くらいだろう。幼い感じが抜けていないような感じ。
「っていうか、私をミキって断定してるね。いや、そうなんだけどさ」
ちょっと有名になったかな。
「君たち何の用かな?」
「え、えっと、一緒に行動してくれませんか!」
ということだった。
行動かぁ。ブルーネームだしPKしたことはなさそうだ。でもなぁ。
「私たちあまりうまくなくて! 理想郷を探しに来たのですがここの魔物強くて……」
まぁ、レベルを見てるけどここの適正レベルじゃないからね。
よく第三層のボスとか倒せたなーって感心する。
「……まぁ、いいか。私たちも理想郷を探しに来たから。邪魔しないっていうのならいいけど」
「複数人でも祝福はもらえるから二人くらい大丈夫でしょ。流石に人数制限もあるとは思うけど」
「?? わかるんですか?」
「まぁね。ギルメン二人が同じ祝福をもらってきたし」
ソゥとマーヤがね。
私がそう言うと辺りが騒がしくなった。
「……もう一個発見されてる!」
「ここのやつか!? 違うよな!?」
「が、頑張って探すぞー!」
などという声。
あー、ここで私がカナアンを発見したっていったらもっと騒がしくなるだろうし言わないでおこう。ちょっと言いたいという好奇心はあるけど。
で、さらに奥地。モンスターも強化されてきており、私たちは女子二人のプレイヤーを介護しつつ戦っている。
名前はプーとムーっていうらしい。気弱そうなのがプーで基本的に無口なのがムー。
「もうそろそろあってもいいんじゃないかと思うけど」
私のレベルも上がっていく一方だしね。
もう少しでレベル100いくぞ。200が限界値だしレベルマックスにするには時間がかかるな。
「ん?」
モンスターと戦い終わりちょっと地面に座ったときのことだった。
地面に何やら赤いボタンがある。……明らかに怪しいよな。いかにもなにかあるだろうし。けど、押さずにはいられない!
「ポチっとな」
私がボタンを押すと地響きが起きる。
そして、地面が割れ始めた。すると、中から出てきたのは階段。地下へと続く階段らしきもの。
「……なんか出たし」
「うわぁ……」
「……」
……もしかして私、やっちゃった?
久しぶりにゲームソフト買いました。
メイドインワリオ買いました…