精霊樹を植えよう ②
開墾終わり!
さて、ようやく苗を植える段階だ。私はイベントリから苗を取り出し、あらかじめ掘っておいた穴に置く。土をかぶせて水をやると育つらしい。
精霊魔法”水”を最小限の力で唱える。
すると、苗はみるみる大きくなっていった。
「……うわぁ」
そして、見上げるほどでかくなってやっと成長は止まる。
成長早すぎ……。私が大樹化したときの大きさと遜色ないなー。マジでデカいし……。それに、精霊樹。やっぱり効果は私の大樹化と同じような感じだった。
葉っぱが回復アイテムになり、枝は最高級の素材。
劣化版私って感じかな。
「でっか……」
「うわぁ」
私たちは見上げる。
ひときわ目立ってる……。飛び出してるしなんだかアンバランスだなぁ。中央に置いたほうがまだ雰囲気はあったっぽいけどここにやっちゃったし……。まぁいいか。
とりあえず、精霊樹、植林完了です。
精霊樹が完成したことにより依頼も増えた。
精霊樹を見させてください、などという依頼から精霊樹の葉を一枚くださいという依頼まで。精霊樹はレアなものらしく苗があっても人の手ではまず育てることは不可能、精霊が育てない限り精霊樹にはならないし、精霊以外の者が育てると枯れるとか。
私は精霊だし大丈夫なのか。
「……で、君たちは精霊樹の下でなにしてるの?」
「昼寝ですぅ……」
「サンちゃんに付き合わされてるんだ」
サンとマグダッドが精霊樹の下で寝転がっていた。
サンはマグダッドの足を枕にしてぐっすりと寝ている。マグダッドはちょっと困っていた。
「ソゥ。休もう」
「マーヤが言うならそうしよう」
ソゥとマーヤも訪れ、精霊樹の下に行く。
ここ、休む場になるの?
「ミキちゃんも来なよ。心地いいよ? ここ」
「そうなんですか?」
私は精霊だから近くにいるだけでちょっと心地いいけど違うのかな。
……あっ。全然違う。木々の間から差し込む太陽光が私たちをぽかぽか照らして快適な温度にちょうどなっている。
下の草もさらさらしていて寝心地がいい。
「ミキ! ……お?」
「ミキーねぇ……ん?」
「ミキ! 入るよ! ……ん?」
「おおきー!」
どんどん集まってくる。
「姐さん。なにしてるんすか?」
「マシュマロ! 見てわかんないの!? お姉ちゃんは心地よくしてるの! 邪魔するな!」
「……ちっ」
「ミキ様。入らせていただきます」
「……入るぞ」
「結構来てるね」
「みんなここがいいんだねー」
「私たちと同じ考えか」
「ひと眠りしよう……結構いるな」
「いる……」
結局全員揃った。
木の下っていうのは結構いいものだけどここまで集まるか。
……まぁ、ゆったりできるしいいか。
……近々クリスマスだしイベントどうせあるだろうしゆっくりできないと思うしね。