運営、死す
ここは敗戦国、死体が置かれている場所。
「……ミキ。ミキが憎いっ……!」
「なんで二つも悪ふざけイベントにひっかかるんだ……!」
何を隠そう。運営である。
運営の人たちの死骸が辺り一面に広がっている。先ほど透明化イベント、ウサギの国イベントをやってしまった。
特に、ウサギの国イベントはまずい。
あれは後々に重要なものとなるはずだからだ。
「それにあの邪神ちゃんの好感度異常すぎるだろ。なんだよ200%って……なんで限界超えちゃってるんだよ……」
バグ……では残念ながらない。
一応報告されていたのだ。課長から。
「好感度は200になったから」と言われたのを適当に聞き流してしまったために誰もがバグだと思っているが課長だけは仕様ですと答えている。
「で、神様会合に誘われちゃったよおい! どうすんだよ!? 参加したら……とんでもないことに……!」
「邪神ちゃんが憎いっ……!」
死屍累々。
恨みをもって死んでいくものが多数である。
もはやプチパニックどころか会社内パニックが起きていた。
いや、パンデミックというほうが正しいのか?
「……俺こんなゲームできるか! 帰らせてもらうぜ!」
「バカ……! それ最初に死ぬやつのセリフだぞ!」
阿鼻叫喚の嵐。
運営は自分がしたことなのだが、ただそれは誰もしないだろうと慢心がゆえにいち早くやってしまった。悪ふざけもたまにはあるが、その大抵が見つけたプレイヤーのためになるならばと思ったのだが、強い奴に与えてしまうと鬼に金棒なのであるからして。
「なあ、俺ミキが恐怖に感じてきたんだけど……。俺らが嫌だと思うことをピンポイントで狙ってくるあの鋭さ。本当になんなの……?」
恐るべしミキの豪運というわけだろうか。
知らず知らずに運営の嫌なことを的確にするあたりミキは運営に恨みがあると思ってもいる。それはたんに勘違いなのだが。
ミキは普通にしているだけで運営キラーなのである。やっていることはもはや嫌がらせなのだが。
運営は死にながらでも考えないといけない。
12月といえばあれだ。そう。クリスマスに大晦日。クリスマスに関してはもはやクリスマスイベントをやるぞと予告してあるしそろそろ考えなくてはならぬのだ。
「……で、なにかすることあるひとー……」
会議は暗い。踊らない。
誰もが死んでおり議論の中身がない。もはや、生気が抜けている。
「……はい」
「園田くん」
「クリスマスなので気分直しがてらいい雰囲気でも作ってあげましょうよ。はい。ミキを見るよりいちゃついてるカップルのほうがまだマシです」
ここまでくるとものすごくミキがしたことが大きいように見えるのだが、
すべて、自業自得である。
なんか書いてほしそうだったから……