不思議の国のミキ ③
ウサギの案内の元ウサギの国を歩く。
隣には邪神ちゃんを連れて。
「ふぉぉ……。これが、うさ耳というやつか……!」
スクショ。
自分のうさ耳を触って喜んでいる邪神ちゃんの可愛い姿を写真に収める。何気にスクショしたの初めてかもしれない。
私の初めては……邪神ちゃんだよっ♡
「ウサギになった気分じゃ! ぴょーんっ!」
「わっ、危ないっ!」
「ミキ捕まえたのじゃ!」
可愛い。
「きゅきゅっ!」
ぴょん吉が早く行こうと言うかのように足に軽い体当たりをしてきた。
で、再び足を進める。
「こういう国があったんじゃのぅ。下界にはまだまだ面白いことがままあるのぅ! ミキと一緒に面白いこと一緒にしたいのぅ」
同感。邪神ちゃん可愛いから何でもしたい。
「我の親友と言っても遜色ないほどの仲良しじゃからな!」
好感度すごいな。
もうマックスなんじゃないか?
まあ、そういわれることは別に嫌なことじゃないしむしろ嬉しいくらいだから。まあ、いいんだけどね。親友か。
「そう言っているうちになにやら怪しい気配がするのぅ。どうやら、一筋縄ではいかないみたいじゃ」
そう邪神ちゃんが言うと目の前にデカいウサギが現れた。
私の身長を優に超え、いかつい顔に傷が入っているウサギ。極道ウサギ大親分っていうらしい。
「きゅ~!?」
ぴょん吉、逃走。
私たちは構える。
「ほぅ。邪神に逆らうとはいい度胸じゃの。ミキよ! 我と共闘せよ!」
「はいっ!」
武器を構え、魔法を唱えた。
ウサギというだけありすばしっこかったが勝利を収める。
「かーっかっか! 我は神じゃ! 逆らうのが無謀じゃて!」
嬉しそうに笑う邪神ちゃん。
どうやら有頂天らしい。
「神二人がいるのに刃向かうのはただの愚行じゃて。そこまで考える知能がないんじゃったか」
煽る。
大親分は倒れており、目をまわしていた。子分ウサギが寄ってくる。親分の亡骸(死んでない)に近寄り数匹がかりで運んでいった。
「おーい、ぴょん吉~。大親分は倒したよ~」
今度は逃げ出したぴょん吉を探そうか。
大声でぴょん吉を呼ぶと恐る恐る震えながら現れた。本当に怖いらしい。人間でいうヤクザの親分に睨まれた一般人みたいなものだ。
まさしくたとえ通りだろうな。
私でも逃げ出すと思うよ。
「きゅっきゅ~……」
「怖かったんだね。はい。じゃ、おやつのにんじん」
このにんじんは先ほど大親分が落としていったもの。
極上にんじんというもの。いいにんじんらしくぽりぽりと齧るウサギの手が止まる。
「きゅぅ!? きゅっきゅ~!」
一気にむさぼりついていた。
そんなにうまいのか。
「きゅぅ!」
「幸せってことかな」
「きゅ~!」
元気よく歩き出したぴょん吉。
こうでなくちゃ。
睡魔と戦って書いてました。寝そうになりました。