閑話 とあるプレイヤーの驚愕
俺らが潜るダンジョンに到着。
「ここ私が潜ったダンジョンじゃないね」
「そうなんですか?」
「うん」
この人潜ったことあるんだ。さすが精霊の守護者というべきなのかな。
でも、それなら頼もしい。頼りにしている。まあ、俺たちもやれるだけ頑張るけどね! 俺らだって一応は力あるんだしね!
そして、ダンジョンの中に潜っていく。
「ねえ、道中は私に任せてもらっていい? ボスはさすがに私だけじゃ無理だと思うけど」
「いいですよ。どうぞ」
と、鎧を着た少女が言うので任せることにした。
それにしてもおかしくない?
先ほどからモンスターに一匹も会わないんだけど。いや、狙いの素材はボスからだしいいんだけど。会ったといえばガーゴイルのみ。
あれれ、おかしいな。俺ら前回はめちゃくちゃ遭遇したのに。あれれ?
そして、あっという間にボス部屋に。
……あっれえ!? モンスターは!? モンスターはいないのこのダンジョン!
「MP大丈夫?」
「うん」
という会話を少女たちでしていた。
MP大丈夫って少女の人あれか。魔法使いか。剣とかもってないし先に先制攻撃してくれていたんだろう。俺らでも気が付かないほど早く先制したのか。
……それにしてもさっきから気になるのは少女の背中についてる羽根。天使の羽根みたいだと思ってるけどそういう装備なのかな? たまに見るし。
「じゃ、さくっとボス終わらせちゃおっか」
「は、はい」
というわけでボス戦に入ることになりました。
回復ポーションも持ったし、いけるかな? いや、俺ら四人だしきつい場面もあると思うけどさ。
で、ボス部屋に入る。
鎧少女の人が剣を振り回し、天使の羽根を広げた少女はなにやら魔法を放った。その魔法の威力が高いのか一気に体力が減ったぞ。
腕のある魔法使い。それもかなりの腕と見た。
で、あっけなく勝利をしてしまった。
……俺ら何もしてねえ!
「終わったよ」
「あ、ありがとうございます……」
ありがたい。ありがたいけど俺ら何もしてないんですが。なんか頼りきりになってますが。いいんですかね。いや、この人たちがいいんならいいんだけどさ……。
パーティ組んでるから経験値は入るしいいんだけど……。あ、ほしかった素材ゲット。
「これで戻ったら終わりかな?」
「は、はい! お金を用意させていただきますので……」
「あー、いいよ。お金はいらないよ」
……女神か?
「いえっ! 俺らなにもしてないんで! 有無を言わさず払わせてもらいます!」
だけど甘えてちゃだめだ。人間の王国みたくはなりたくない。俺らは意地としてでも払ってやるさ! じゃないと、マスターに怒られる!
それに、対価は必要だよ! タダが一番高いんだからね!
「もらえるもんはもらおうよ。ミキ」
「わかったよ。チリン」
と、ミキさんは……。
……ミキ?
「ええええええ!? み、みみ、ミキさんだったんですかああああ!?」
「うっそ、えっ、ま、まじで?」
「あ、自己紹介してなかったね。知られてるとは思ってたけど……。改めまして精霊神のミキです。こっちはチリン」
……噂の精霊神、超美少女だったああああ!
噂ってあてにならないね……。女神のような優しさで超かわいくて……。もう、俺は貴方に一生ついていきます。
「それじゃ、帰ろっか」
「……あのっ! 一つ、またお願いが!」
「お願い?」
と、優しい笑顔でこっちを見てくれる。
本当に女神のようなお人だ……。
「フレンドに、なってくださいっ!」
俺ら風雲の熱血漢はあなたに一生ついていきますので!
というわけでモブプレイヤーの回でした。蛇足みたいなものなので。
時系列的に言うとコラボイベントの真っ最中ですね。言うのが遅れましたが。