閑話 とあるプレイヤーの頼み事
俺の名前はタイヘイ。リアルネームが泰平ってんでタイヘイと何ももじらずにプレイをしているプレイヤーだ。
俺の種族はドワーフ。力が強い種族だ。
俺たちがやっているA2Oには今現在、九つの王が存在する。
勇者、魔王、獣王、不死王、妖精王、精霊王、機械王、竜王。あと二つはわからない。竜王と一緒に出てきた王がまだ判明してない。
未だに王は全員揃っていない。アナウンスがないからね。
「……なあ、俺ら本当にこん中に入るの?」
俺はもちろんギルドに所属している。
”風雲の熱血漢”という男限定のギルド。その名の通り熱い人が多く、有名なギルドでもある。そのギルド長に今回ここと話をしてきてくれと頼まれた。
ギルド”精霊の守護者”
その名の通り、精霊王……精霊神がギルドマスターを勤める王のギルドの一つ。
精霊神についての噂はよく聞く。
武闘会ではむやみやたらにプレイヤーを襲いまくったり、音速のパンチを見て避けるなどの行為。また、エリアボス討伐すべてにかかわっている。
……このA2Oでは一番のプレイヤーなんじゃないかな。
「……森、だよな」
「……建物、ねえよな」
始まりの町の一等地。
隣には勇者のギルドがあるギルドホーム。精霊の守護者。いや、これホームじゃなくね?
「……なるべく精霊神を怒らせるなよ。PKはしないだろうけど怖い人らしいからな」
「どんな顔してるんだろう。般若のような顔かな?」
すると、森の奥から誰か出てくる。
「さーてと。マーヤのレベル上げは竜王にまかせてチリンのやりたいことやりますか。私がやってもよかったけど一回休めって言われたからねえ」
と、出てきたのは高校生くらいの少女。
初心者……とも思われる装備をしており、可愛い少女。おっとりとした顔をしていて、正直な話、俺のめちゃくちゃタイプ。恋人にしたい人になった。
……。美少女……。
その隣には、美少女とはまた違ったベクトルの美しさをもった少女。ただし装備は鎧。似合わない……。
……ええ。いや、あの、こんな美少女いるんですか?
「……声かけるんじゃねえのかよ」
「そうだった! あ、あのっ!」
俺は勇気出して話しかけてみた。
すると、こちらに視線をよこしてくる。
「なにかな?」
「……仲間になりたいのかっ!」
いや、そうじゃないんです。
「俺ら、風雲の熱血漢から遣いとしてやってきました、た、タイヘイっていいます! そ、そのっ! 精霊の守護者のみなさんにお願いがあってまいりましたっ!」
「というわけで、一緒にダンジョンに行って素材をもってきてもらえないかと……。もちろんお金を出しますよ!」
俺たちの願いは精霊神様…とまではいかないけど強者揃いの精霊の守護者の人たちに協力を得ることが目的だった。
ダンジョンでは俺たちじゃ力不足であり、手伝ってもらいたいから。
「……どうする?」
「まあ、レベル上げになるしいこっか」
と、快く了承してくれた。嬉しい。
「じゃ、早速行こうか。どこのダンジョン?」
「欲しい素材は第四層のダンジョンです!」
すると、片方の初心者らしき人は顔をゆがめました。もしかしていけてない?
「……第三層エリアだけはどうしても通りたくない」
「迂回しますか?」
「迂回ルートあるの!?」
「はい。第三層エリアのボスが倒されたことで迂回ルートが解放されたんです」
というと、顔色をよくして、俺たちの腕を引っ張った。
「さあ行こう! 冒険だよッ!」
その少女の顔は、太陽のくらい眩しく、花のように可愛らしかった。
※タイヘイは目の前の少女の名前を知りません。
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感想もじゃんじゃんくれてもいいですよ。返信は必ずすると誓います。ほら、仮面ライダーだって毎回変身するでしょ? あれと同じです。
何言ってんだ俺。