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Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第四層エリア 【精霊は無邪気に笑う】
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心なき魔王と精霊神の大木 ①

 精霊である魔王が目の前にいる。

 でかい図体をしており、3mはかるーく越しているだろうな。これが、今回のボスらしい。


 「……面白いのが来たか」


 と、笑っている。

 不気味にしか感じられなかった。


 「同じ魔王もいて、妖精の王、ましてや精霊の神。私には運の尽きがない」


 と、言っているが嬉しそうだった。

 早いとこ倒してしまおう。そう思って波動砲を打とうとする。が、やめておく。街中だと被害が広がりかねないからだ。

 このゲームはフレンドリーファイアはない。が、背景である建物にも攻撃が通じないとなると話は別になる。森だって火で燃える。建物も破壊可能だ。


 街の中で闘うっていうのはきついな……! 制約がありすぎる。


 「”魔王の晩餐会”」


 と、トロフィさんが変身していく。

 どんどん肥大化していくトロフィ。体も変色し紫色になっていた。まるでそれは魔王というのにふさわしい格好となっている。

 変身か。私も精霊になったほうがいいのだろうか。いや、そういうスキルあったっけ?


 「妖精王すまーっしゅ!」


 ぽふっ、と魔王のおなかにパンチ。だがダメージはない。

 威力低いっ!


 「私も何かしよう……!」


 と、私の頭の中に誰かが囁いてくる。


 ――わたしになって


 誰だろう。と、後ろにそびえたつ精霊樹が揺れていた。さっきのは精霊樹の声なんだろうか。


 《スキル:大樹化 を取得しました》


 なんですと!?

 よ、よし。早速使ってみよう!


 {”陽炎””大樹化”」


 すると、私の体が変形していく。

 足は木の根っこのような形になり、腕には葉っぱが生えてきた。どんどん私の体がでかくなる。そして、街を見渡せるかのような大きさとなって止まった。


 ……これが大樹化?


 って、私樹になってるんですけど!?


 これって私動かせるんでしょうねえ!

 あ、下では私のコピーが働いてる。


 そうじゃなくて!


 私、樹になります! じゃないんだよ!


 これのどこがいいんだ……。図体はでかいし攻撃が当たるだけじゃないか……」


 そもそも動けない。

 これの活用方法がいまいち……。いや、そうでもない? 体力が増えているし、防御も増している。攻撃や魔法攻撃は少し下がっているけど。

 そして、何より実体化というのも気になる。


 『わー、精霊神さま樹になった!』

 『樹になったー!』


 と、私の周りに精霊が集まってくる。

 それも、ものすごい数の精霊だった。精霊を呼び寄せる効果でもあるのかは知らないけど、寄ってくるならいいことづくし! 精霊魔法を放っちゃいなさい!


 『わかったー!』

 『あのくろいひとー?』

 『むらさきのひとだよー!』

 『よーせいさんかなー?』

 

 狙うのはあの黒い人ですよ。黒い精霊さん。わかるかな?


 あ、てかすごい。今気づいたけど大樹化ってMPとか回復するんだ。それもものすごく。陽炎の消費MPもものすごくやばかったけど半分は回復した。

 なるほど。この大樹化は回復用ということか。


 あ、やめて。プレイヤーさん剣でつんつんしないで。私敵じゃないよ。


 スライムだったらぷるぷる。ぼく悪いスライムじゃないよぅっていうのかな?

 わさわさ。ぼくわるいせいれいじゅじゃないよぅ。












ミキ、とうとう樹になる。

ミキってわけですねわかります。

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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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