呆気なく終わる勝負
人間の軍勢が攻めてくる。
なら、予防線を張っておこうか。この里は結界によって出ることはふさがれている。何の目的だか知らないけれど、これもクエストの一環なんだろう。
なら、私たちがやるべきだよな。
「……やるの?」
「やるよ」
「わかった」
と、マーヤもナイフを手にし、やる気満々のようだった。
まあ、私たちも馬鹿正直に迎えるわけじゃない。
「鳥人族の皆さん! 聞いてくださいな!」
策を張り巡らせる。
鳥人族のみなさんを配置につかせ、いざ人間の軍勢を待つのみとなった。
私は木陰に隠れ、鳥人族のみなさんは木の上に立たせる。斥候はいるんじゃないだろうか。だがしかし。無駄となる。
不意打ち……というわけじゃない。
今回の人間の国の目的は鳥人族の捕縛。奴隷にするために向かってきたんだそうだ。
なので、囮を使わせてもらうことにした。
鳥人族の皆さんから羽根を一枚ずつもらい、それを人間であるマーヤとギールさんに張り付けていく。ギールさんは嫌そうにしていたけど、自分が見たいといった手前断れないのだろう。
利用させてもらいますよ。
「来た」
人間の軍勢が見えてくる。数は千もいかないだろう。鳥人族は戦闘が不得手だとわかっているのか少ない人数で来ていた。
檻も持参して。ならちょうどいい。
「引っ張って」
まず最初の罠。
紐で転ばせる作戦。いや、そんな単純じゃないけど。
「お? 紐が括りつけられている? 鳥人族め、浅はかな知恵を。転ばそうと思っているのだな?」
と、すんなり飛び越えた。だが、それが失敗だ。
「おわっ!」
飛び越えた先には私が作った落とし穴。
飛び越えてもだめなのだ。そして、もう一人またいだのだが鳥人族のみなさんに飛んでもらい紐を持ち上げる。
すると……。
「いでえええええええ! や、やばい! と、飛んでいる……? て、てめえらか鳥人族がっ!」
と剣を構える。
バカだなー。そこの高さどれくらいかわかってるのかな?
股間も痛いしなにより、そこで暴れたりして見ろ。真下に落ちていく。真下は落とし穴があり、高さもあるのだ。
そこに落ちたらどうなるか、死ぬことはないにせよ、重傷だろう。
「こんのっ……!」
バカな軍人は気づかない。
真っ逆さまに落ちていった。鳥人族さんには剣を構えるのなら手を離していいといっている。小賢しい真似だろうがこれも立派な戦術だ。
「さて、残り四人か。仲間の光景を目にしてひいてくれたらいいんだけど」
ただ、兵士二人がバカだったから、期待はできないね。
「迂回して進むのだ! いけ!」
ほらね?
そして、兵士四人は里にたどり着く。
だが、それがダメだった。
兵士は片っ端から家の中を探していく。だが誰もいない。
そして、最後の家。二人の人がいた。
「その羽根……鳥人族の逃げ遅れか……! 他の鳥人族はどこいった? 結界を張ったから逃げられないはずだろう?」
「い、いえません……」
ギールさんは涙目だ。演技……じゃないね。震えてるし本当に怖いんだろう。マーヤは落ち着いているんだけどね。
「そうか。ならば、捕らえよ!」
と、兵士が捕らえようと剣を構え突進していった。
だが、兵士は倒れてしまう。
「兵士って案外バカなんだね」
と、ナイフを片手に持ったマーヤが立っていた。
兵士は力尽きたのかピクリとも動かない。暗殺者だから殺したのだろうか。
「残りは隊長。あんただけだけど?」
「ぐっ……!」
形勢逆転。さ、この勝負。あっけなく終わりだ。
股間痛そう……。大丈夫なんですかね。落ちた人。
今回はなんかミキの作業間があふれていましたね。ミキが相手するほどでもないんでしょう。まあ、雑魚には変わりないんですけどね。
少ない理由
王「鳥人?あー、珍しい割に大して強くないやつね。捕まえるとしても少数精鋭で大丈夫だろ。バカだし」
大臣「おっ、そうだな」
的なやりとりがあったりなかったり、
四層エリア書き溜め終わりました。
五層エリアなのですがどういうエリアかは決めてるんですが文章構成で悩んでおります。